今回は私の実物大コレクションから一台取り上げてみましょう。ロールスロイス シルバースパーです。いつもは人様の車を勝手にブログにさらしておきながら、アンタの車一体どうなってんの?と厳しくご指摘を受けそうでもあり・・・・・備忘も兼ね、すこし経験談を書き留めておこうかと思ったのです。
このモデル、高校時代に外車雑誌をスクラップし、アルバムに貼り穴が開くほど眺めていたんです。田舎高校生の身分でしたが、(身の程も考えずに)いつか絶対に乗ってやるんだ!と心に決めていた一台でありました。それから社会人になって相当年数経ったある日、当時ナンバーのこの個体を見つけ、たとえ動かくなくなっても一生持っていよう!と購入を決意したのでありました~。
10年ほど前、2008年~2010年?ごろはバブル期に沢山輸入された新車が車歴20年を超え、捨て値のような値段になっていました。今では高騰してしまったW126なども超低走行車を除き2桁万円でゴロゴロしていましたし。ヤフオクなどでもフェラーリテスタロッサが800万円~、308とかやアストンマーチンV8、縦目のコンバーチブルなど、500万円~、空冷ポルシェなど200万円近辺で簡単に見つかっていたんですヨ。
今では信じられないですが・・・。
ロールスロイスも然りで、部品取り車が丸車で20~40万円、フロントグリルが2~5万円でヤフオクに出ていたご時世でした。当然、中古車物件もダブついていて、ベントレーと足せばカーセンサーで50~100台は出ていましたかね。いまでは合計しても10台くらいかもですが。そんなところで当時ナンバーにも惹かれ、あの時は最後のチャンス!と思い切って入手したのでありました(実際にそうなってしまった感があるのですが・・)。
あれ~、入手もっと最近じゃなかったっけ?という方がいるかもですが、じつは相当期間、所有しているのを伏せておったのです。一言、なぜ?ということなのですが、それはやはりロールスロイス所有という、この背徳的かつ非常に退廃的な行為に走った煩悩MAXな自分をできるだけ他人に知られたくない!という一心に依りますネ。
今日現在、すでに車検が切れてから数年が経っております~。実は、整備工場への入庫予約をしていた数年前のある日、隣県ガレージNo.1にて、すぐ前の同じくコレクションだったベントレーミュルザンヌSが突然不動となり、車庫から引っ張り出せないまま車検切れ→今に至っております~思い返せば根性ないナ~自分、泪。↓
年式は1989年式で、まさにバブル絶頂期に輸入された一台です。また11月に英国クルー工場でのアッセンブリー完了の記録があるのに、12月には東京で登録されていたので、もしかしたら日本まで空輸されたのかな?と想像したりもしました。
このシルバースパー、SZという名称で呼ばれ、1980年~1997年まで実に17年間もロールスの看板を背負っておりました。この時期は日本経済の栄枯盛衰に重なりますね。で、そのお値段たりや、バブル真っ盛りブイブイいわせていたベンツ560SELの実に3倍!?(ベンツSクラス1200万円→シルバースパー3800万円)。アラフィフ以上には嫌味・悪趣味という意味で見慣れた一台かもしれません。
フロントには大きなパルテノン神殿を模したラジエーターグリルが鎮座しています。グリル外してみると、うらの黒の塗装部分にグリル作成者のイニシャルが手彫りされているのは有名です(このクルマにもありました)。またこの個体のグリルは欧州仕様で、いつかお見せしますが女神(スピリットオブエクスタシー)が格納式になっています。またヘッドライトも異形タイプで、北米仕様だと角目4灯です。
排気量は約6800CCです。軽自動車10台分。維持で一番きついのが毎年の自動車税かな???
ペイントはウレタンではなく、ラッカーだそうで、たしかにすごい光沢が出るのですが、ひび割れがところどころに入るのが困りました~。
全体的にアメ車っぽいと語られることが多いこのモデルですが、私的にはそんなに?というのが正直な印象です。マセラとかイタ車のほうに近いかなと思うのですね。
その証拠に、1975年、一足先に発表されたロールスロイス カマルグは伊ピニンファリーナがデザインした斬新スタイルだったのですが、このスパーとカマルグを並べてみるとサイドから非常に似通ったシルエットなのだと気付かれると思います。一説にはピニンファリーナ監修という説もあるのですね。
太いCピラーには、RRマークが付きますが、これはシルバースパーのみの装着です。またサッシ部分には光沢のあるステンレスのカバー。センチュリーの場合、光沢はありませんが、やはりピラー部分が輝いているとより華やかに見えますネ。
このホイールキャップもスパー専用で、キャップは車体と同色でリング状に塗装されています。さらに手塗で縁取りされており職人技が確認できる個所になっています。サイドピンストも同様で当時職人の手塗なんだそうですよ~驚。
装着しているタイヤは、輸出専用のトーヨー製のホワイトリボンです。リボンの部分が太いので気に入って入手しました。
またロールスロイスのフロントとリアガラスは、高性能レンズ生産時に使用されている微細コンパウンドで磨かれています。叩いてみるとその分厚さと硬さに気が付きます。
リアコンビランプは大きいのですが、夜間点灯するのは外側だけで、バックランプの上はブレーキランプで、私的には全部点灯して欲しいなあと思っていた部分ですね。リアガラスのセンターにコーンズのステッカーがあります。またスパーはステンレスのガーニッシュがナンバー部分に入ります。スピリットでは、ここは黒一色です。
マフラー右出しは1986~1989年のインジェクションモデルです。それ以前のキャブ仕様は左右2本出し。コンピュータ制御が入る1990~からのⅡ仕様以降では、初期を除き左だしか、2本出しに戻ります~。
↓車内はウッドと本革に包まれた空間です。非常に落ち着いて見えますよね。
そしてリアシートにはお約束のムートンを引いておりましたが、毛皮は床に敷くもの(つまりフロアマットとして使うべき)とされる作法もあるやに聞きます。
スパーでは標準のリアのピクニックテーブルと、特注のカクテルバーが装着されていました。本来は純正のデカンタとグラスのセット、それに栓抜きが入っているのですが、割ると嫌なのでトランクに入れてあります~。また足置きも装備されていますね。
このような弩級車になってくると、整備を受けてくれるところはなかなかないですね、実際。調べて、調べて、扉をノックしたのは日本屈指の超有名な整備工場でしたが、蓋をあけてみたら覚悟していたほどでもなかったかな???
次回はメインテナンスについてどうだったか、伝票片手にご披露してみようかと思います!お楽しみに~!
また走行中写真や、ほかにも気まぐれで、グラビア的写真もご披露してみたいですね~!
ロールスロイスでした~!
では!