観終わった後、波立っていた心がすーっと鎮まり、静かに澄み渡っていくような余韻の残る作品でした。
劇中で大きな出来事が巻き起こるわけではありませんが、人と人との絶妙な距離感やふとした言葉の綾、沈黙の描き方が秀逸で、一時も目が離せませんでした。人間の愛おしさも身勝手さも否定せずそのまま包み込むような温かい眼差しが印象的で、鑑賞後は自分の身の回りにいる大切な人々や、これまでの歩みを振り返りたくなります。
映画館の暗闇の中で、ゆったりとした時間と空気感にじっくり浸る体験そのものが非常に心地よく、静かな感動が胸に染み渡る映画体験でした。
