【世界一周】その128「暗闇の中での食事」 | 一歩、世界に近づくブログ

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2010年2月26日

停電の時間は、ここポカラでも毎晩回ってくる。
電気が止まると、人々は店先や家の前で焚き火をして明かりの代わりとする。

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昨夜は宿に荷物を置いた後、近くの食堂(8人くらいでいっぱいの店)に晩飯を食べに出かけたが、ランプの灯をたよりに食事をした。

暗闇の中での食事も、ここネパールに来てからは何度も経験しているので慣れてしまった。

これが日本国内だと非常事態・緊急事態のようだが、ネパールだとこれが日常なわけで、「ふつう」とか「あたりまえ」って一体なんなんだろう、と改めて思い知らされる。

とにかく、暗いと、例えば、店の内装とか、ガイドブックとかが当然見えない。
しかし 同時に、ろうそくによって目の前にボンヤリ浮かび上がる食事と真っ向から向かい合うことになり、また、そばにいる他の人との心理的距離も近くなる。

・・・ムッ、この味付けは、なかなかに奥が深いぞ。
とか、
・・・この人って、こんな穏やかな声をしていたんだ。
など、気づくことがある。

不便はときに、価値あるものをもたらす。



さて、今日は珍しく雨が降った。
これでは遠出は出来ないが、本を読んだり、近所を散策することくらいならできる。

ぶらぶらしていたら、楽器屋さんがあった。
楽器というより、口琴(こうきん)屋さんだ。

口 琴は唇で加えて指と下で音を出す、5センチほどの小さな楽器で、楽器だと言われないと何の道具だか分からないような見た目だが、上手な人はとても面白い音楽を奏でる。

僕はリズム感が無いという致命的な欠点があるので、これまでの人生、楽器からとことん逃げてきたのだが、なぜかこういうマニアックな楽器には興味がある。

店に入り、まじまじと見ていると、店のおやじが曲を披露してくれる。
う~む、やはり、いいなぁ。

聴いているうちに「楽しく」なってきたので、一緒に写真も撮ってしまった。まさに「楽器」とはよく言ったものだ。


お昼は「タカリ・キッチン」という、タカリ族がシェフとして腕をふるう店に入った。
この民族は料理上手ということで、味はもちろん、コンパクトにまとまった定食プレートがデザインとしても完成されているように見えるほどキレイな逸品だった。

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これで200円しないほどなのだから、まったく、口琴でも鳴らしたくなるほど愉快だ。


さて、雨も落ち着いたようなので、もう少し散策を続けることにする。

ポカラの誇る大きな湖、フェワ湖には、小さく浮かぶ島がある。
そこには日本の弁財天よろしく、こちらの神様が祀ってあるとのことで、そこにボートを漕いで行ってみることにした。

観光客だけでなく地元の人たちにも慕われている神様のようで、かなりの人がボートを島につけて参拝していた。

なんだか、こういう光景、落ち着く。

ホントに上野公園の池のほとりの弁天様に来ているような気になってくる。日本の七福神の弁天様も元はインドの神様だから、インドの隣の国ネパールで似た雰囲気を感じても、不思議ではないのだが。

とにかく、ここにいる彼らと自分は同じアジア人なんだなぁと改めて感じてしまう。


早めの晩飯は白人女性が経営している手軽なイタリアンにしてみたのだが、そこのティラミスとコーヒーが意外なほど美味しかった。日本でも出会わないレベルだ。いやはや、ポカラ恐るべし。


とうとう明日、ポカラからカトマンズに戻り、
いよいよ明後日、タイで乗り換え帰国する。

帰りたいような、まだ帰りたくないような。


僕がどう思おうと、ポカラの夕陽は旅情を連れてやってきた。

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今日の終わり、そして旅の終わりが近づいている。

続く。