そんな時、これまた家でじっとしていると死んでしまうのではないか、狂ってしまうのではないか(自殺願望は無かったけどなんかそんな気がした)、と思い始め、人生で初めてカウンセリングにも通ってみた。

カウンセリングに何かを求めていたわけじゃないけど、週に一度誰かに話を聞いてもらう、週に一度、何か予定が入っている、と言うことが家に帰って悶々としているよりは気持ちを紛らわせたような気がしたのです。


アメリカでは日本よりはカウンセリングと言うのが普通に受け入れられています。

でもカウンセリングと言っても山ほどカウンセラーと言うのはいて、どれを選んでよいのかさっぱりわかりません。私の場合はかかりつけの内科の医者に紹介してもらいました。

保険が利くので、一回、自己負担は15ドルくらい。それこそ、友達と食事に出かけるより安い。しかも好きなだけ愚痴を聞いてもらえる。15ドルで誰にも迷惑をかけずに愚痴を聞いてもらえるシステムと言うのは効率的だなと素直に思いました。


でも、カウンセリングが効果が会ったかと言うと、どうかな・・・?と思います。

基本的にカウンセラーは私に~をしろ、とか言いません。

私の話しを聞いて、私にひたすらしゃべらせる。私に合意する。それが仕事みたいな人でした。

私自身はしゃべることで発散は出来るけど、答えが出るかと言うと、答えは出ない。


カウンセラーはアメリカ人なので、もちろん会話は英語なのですが、こういう場合、逆に母国語でないほうが気持ちが楽だなと思いました。日本語だと、言葉に心がこもりすぎて感情的になる。でも非母国語だとなんとなく間接的にしゃべっている感じがするのです。


一度、あまりにカウンセラーが受身なので私が腹を立てたことがあります。

私がどんなに辛いのか、毎日、苦しい、週末は朝起きると起きたことを後悔して、心臓が痛くなる、と言うことを言ったら、


「それは喪失の痛みですね」とわかりきったことを私に言ったのです。

そんなの3歳の子供でもわかる。

「辛いですね。喪失感であなたの心は傷ついているんです」とこれまた誰でもわかることを言う。


なので腹が立ち、

「あのね、あなたはね、ナイフで刺された人に、痛いですね。血が出ていますね。ナイフで刺されたからですよ、と言っているのと同じ。そんなの私にだってわかってる。あたしがここにわざわざ通っているのはそんなことを聞くために来ているんじゃない!!」と言ってしまいました。


すると彼女は

「じゃあ、なんでここに来るんですか?」と聞かれ


「あんたはプロのカウンセラーだ。私はここにFeel betterになりたいから来ている。あならはその具体策を示すことが出来なくても、何かしら私のこの苦しみを軽減できる言葉を掛けてくれることを期待している。それが出来るからプロなんでしょう?」と私は辛らつな言葉を彼女に投げかけました。


彼女は困ったような顔をして

「その答えを見つけるのはあなた自身です」と言われ、とってもがっかりしたのですが、それでも家にいると悶々とするので、私はそれでも彼女のところに通い続けました。

正直、彼女に私をFeel betterにすることはそれ以来、期待しなかった。

何かをしていないと気が狂いそうだったから通っていた。