宮下洋一 著、「安楽死を遂げた日本人」を読んだ。
新書は重いし、指先に力が入らないので、上手くページをめくることが出来無い。
それでも、夢中で一気に読み切ってしまった。
首から肩にかけての痛みは、読後2~3日余りも続いた。
紺美さんのブログは、殆どリアルタイムで目を通し、直接メッセージやコメントで意見交換もしていた。
NHKスペシャルも見たし、関係者から直接話を聞くことも出来た。
十分に「紺美さんの物語」は理解したと思っていた。
この本を読むまでは。
どうやってあの衝撃的な番組が生まれたのか。
そこに至るまでの、関係者の葛藤、偶然やトラブルの数々、綱渡りの日々。
これは、著者の目から見た「紺美さんの物語~詳細編~」だ。
前半は、主として紺美さんのブログの抜粋と、その背景。
紺美さんの文章は、そのままで読み物になる。
家族や周辺の葛藤と、友人やNHKのディレクターとの行き違い、心の通い合い、に焦点が当たる。
後半は、紆余曲折の末のスイスへの旅と、TVクルーも冷静さを失う緊張の撮影現場。
そして、後日談へと続く。
私は、安楽死の是非を語る立場には無いが、この本を読んで、紺美さんのケースは、安楽死する要件が備わっていた、もしくは紺美さん自身が十分なお膳立てをしていた、と納得できた。
紺美さんに少しでも影響を受けた方なら、是非手にとって頂きたい一冊である。