焼き肉との相性が抜群で、ついスプーン箸で肉を焼きそうになったのに続いて、今日は中華料理。

最初は餡(あん)かけ焼きそばに挑戦です。

箸では麺の重さに耐えられず、かと言ってフォークでは上手く取れないので、もう死ぬまで食べることは無いだろうと思っていた麺類の一つです。

私は麺をすすると言う事が出来無ず、また舌や唇が思うように動かせないため、箸やフォークで麺を口に運べたとしても、口からはみ出した麺の処理が出来ません。

普通の人なら、考える間もなく口に入りきらなかった麺をずるっとすすって、唇の周りについた餡は舌で舐め取ってしまうでしょうから、私の抱えている問題すら理解出来ないと思います。(以前の私もそうでした)

私の場合どうするかというと、先ずは歯でかみ切って落とすことにトライするのですが、早々上手く歯のかみ合う部分ばかりに麺があるとは限りませんし、舌で麺を移動させるのは至難の業です。

これで半分片付けば上出来です。

 

次にトライするのは箸で残りの麺をつまんで口に入れることですが、これが上手く行きません。上手く箸が使えないことに加えて、箸というのはその構造上、線と線(それぞれの箸)が交差する一点でものを掴むものですので、目の届かないあご先に垂れ下がった麺を一点で掴むなどと言うとんでもなく器用な技術を要求されるのですが、そんなことは余程運がよくなければ成功しません。

そうこうしている内に指が攣ったり硬直したりします。

フォークに至っては論外で、フォークで垂れ下がった麺をすくおうとすると顎が餡や汁でべとべとになるのが落ちです。

 

運が味方せずに残ってしまった麺はいつまでも口から垂れ下がっているので、顔も上げられず俯いて重力が味方してくれるのを待ち、それでもダメなら最後の手段はナプキンやティッシュで麺を拭き取ることになるので、どうしても麺類は遠ざけてしまいます。

 

これらの悩みを一気に解決してくれるのが、我らの味方スプーン箸です。

軽くつまむだけで好きな量の麺を、餡と一緒に口に運べるのは勿論のこと、口から垂れ下がった麺も上手く掴めるのです。何故なら、二本箸と違ってスプーン箸は線と線が平行に交わる構造、即ち掴むところが箸のように点では無く、線だから掴める確率が段違いなのです。

 

次は麻婆豆腐やエビチリ、チャーハンなどに挑戦です。

エビがチリソースと一緒に簡単に口に運べるのは当然として、麻婆豆腐の様な柔らかいものも問題有りません。むしろ適当な大きさに切りながら食べられるので柔らかいもの向きと言えるかも知れません。

残った液体はスプーン機能、固体はトング機能を使えば、チャーハンも一粒残らず、いとも簡単に完食です。

完勝にスプーン箸も誇らしげに輝いています。

 

そう言えば、以前スプーン箸を紹介したいと仰っていた看護師さんが、たまたま入った中華料理屋さんで取り分け用にスプーン箸が出てきて驚いた、と言う目撃証言がありました。

知らないところで結構普及しているのかも。