約7年前に3週間ほどの検査入院を経て宣告されたのは、「進行性の神経難病で治療方法は無く、進行速度は人に依るが、早ければ5年程度で死亡に至る事もありうる。」と言うものだった。
当時は話し難さが主症状で、入院中も病院を抜け出してゴルフに行ったり仕事も普通にこなしていたので、ピンとは来なかったものの、これを機会に今後の生き方を見直してみても良いかな、と思った。
それまで50年余りの人生は、「常に完全燃焼」をモットーとしておりいつ死んでも悔いは無いと思っていたので、そこで突然終わっても悔いは無かったのに、事前通告をされて時間的な猶予も貰えるならラッキー、と言う気分にもなっていた。
事故や病気で突然生を絶たれる人が大勢いる(しかももっと若くして)中で、ある程度の身体機能を伴う年単位の猶予を与えられるなんてラッキー以外の何物でも無いではないか。
残りの時間の過ごし方一つでその間に出来ること、その充実度は大きく変わる。のんびりしていられない。
やるべき事は、未だ残されている身体機能をなるべく長く維持しつつ最大限に活かし、次に起こりうる事態に備えることだ。
そのためには、まず自分が残された時間の中で何をしたいのかを見極め、これから先に何が起こりうるのかを想像して、その対応策をその時に残された身体機能で乗り切るための段取りを組むこと。