小説・道化のクレヨン 第4章3 | どーも、インターネット初心者です。

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人生楽しくめでたく行かなきゃ、だからめでたい日記。略して「たい日記」

道化のクレヨン



私の将来の夢。


6年2組 溝口れい。私の将来の夢はピアノの先生です。


省略(青山小学校・卒業文集より)



第4章「綻のヴィオロン」
ネガティブ感情



結局のところ、中学3年でピアノはやめてしまった。


特に理由は無かったと思う。高校に入っても音楽はやらなかった。


昔から絵は描いていたけどピアノの方が好きだった。


絵が好きになったのは・・・


んー何でだろう。


やっぱり賞をとったからだろうか、授業でも美術の課題は頑張った。


今思えば、音楽って合唱コンクールしかなかったなあ。それが嫌だよね。


部活はバレー部だった。


友達に誘われて入っただけで、すごく好きだったわけじゃない。


でも部活やってたせいかバレーボールの試合はテレビで見る。


前、久しぶりに先輩たちに会ったらギャル化していた。


私はこんなに森ガールなのに。


バレー部員のギャル化が多いのはうちの学校だけなのかなあ。


風が冷たい。少し寝ていたみたいだ。


目を覚ますよりも早く肌が寒さを感じ取っていた。


私はすぐに時計を見た。10時12分。


どうやら窓を開けて30分くらい二度寝してしまっていたようだ。


昨日の夜はいつもより眠れなかったなあ。


「あーあ、何かテンション下がるー」


とりあえず私は朝食を摂ることにした。静かだったのでテレビのスイッチを入れる。


午後から検査だから昼ドラは見れないなあ。


と思いながら、朝のワイドショーにチャンネルを切り替えた。


とても残念。


いつもだったら笹崎さんは土日のお昼来てくれる。(たまに平日の夕方)


今日は金曜日。明日まで待つしかないなあ。


私は笹崎さんのギターを真似してあのメロディーを口ずさんだ。


そんな午前、そして次の日。


とうとうお昼だ。笹崎さんを待つ私、変な顔じゃないかなあ。


さっきから鏡ばかり気にしてる。


「やあ、こんにちわ。」笹崎さんがやって来た、やっと来た。


残念ながらギターは持ってない。


あの音楽が聞きたい。


笹崎さんギター持ってきてほしいなー、いやここ病院だからダメだよ、というやりとりをした。


楽しい。


「私ピアノ弾けるよ」って言ったら、おぉすごいって驚いてくれた。


けれどすぐにピアノもダメって言われた。


もうすぐクリスマスだから色々計画を立てたい。


そんな話をして、時間は過ぎていった。


そして夜。


昨日の午前中に見たワイドショーの続報があったようだ。


明日は日曜。また笹崎さんに会える。


私はギターの真似をしてみた。


どうせなら明日ギター持ってきて、


正装でギター・・・いやヴァイオリンかなあ。


何ていつもより楽しい夜なのかもしれない。


そういえば今日、笹崎さんが男のコイバナは面白くないと言っていた。


何でも結婚した先輩の話らしい。


男の癖に色々と女々しいとか、惚気だとか。

でも話しているその男の人は楽しいんだろうなあ。


そう思って私は「結婚」と呟いた。


ああ。恥ずかしいなあ、もう。



(最終章「漁夫のトランプ」へ続く)



(次回掲載予定は8/15です)