小説・道化のクレヨン 第2章 | どーも、インターネット初心者です。

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道化のクレヨン



第2章「道化のクレヨン」

音楽



私が彼と出会ったのは10月13日だった。


私が彼を見かけたのは4日前だった。



第2章「道化のクレヨン」



私はいつものように公園にいる。


最近、急に寒くなったような気がする。


だが今日はいい天気だった。


7月が去年より暑くて尋常じゃない気温だったことを覚えている。


8月が第2週だけ急激に寒くなったのを覚えている。


そして9月が異常だった。


今日は陽当たりも良好で風も気持ちがいい。


だからこんな日は絵を描く。


スケッチブック片手に公園で。


大きな公園の隅っこ。


あまり人通りの少ない隅っこ。


趣味で絵を描く。


時々道行く人に絵を頼まれる。


でも断っている。


絵描きさんじゃないんだ。


いわば校内写生大会なんだ。


気がつくとだいぶ時間が経っていた。


4時間くらいだろうか。


空が茜色で。


綺麗で。


描いていた絵とは違っていた。


私は画材道具を片付けて帰り支度を始めた。


どこからか音楽が聞こえる。


4日前に見かけた彼の音楽。


私は歩き出す。


だんだんと音楽が近くなっていく。


私が愛する音楽。


もう聞きたくなかった音楽。


ギター片手に公園でストリートライブ。


広い公園の入り口。


若い男が一人でギターを引いている。


もう聞きたくなかった音楽。


私は彼を見ていた。


入り口にはまだ遠い所。


思い出が蘇る。


通り過ぎていく人たち。


私にとって悲しい音楽。


大好きだった音楽。


少し長い音楽の一曲目が終わった。


私は入り口に向かって歩いていた。


彼と目が合う。


「こんにちわ」


私は初めて声を掛けた。


こんばんは、だったかな。


今日はいい天気だった。


空が茜色で。


綺麗で。



(次回掲載予定は4/15です)