《解説》

 

 ポール・モーリアの1976年の来日記念盤として2枚のアルバムが発売された。そのうちの1枚が『Love is Still Blue』と題された本アルバムで、P.モーリアの代表作である「恋はみずいろ」「エーゲ海の真珠」「シバの女王」の3曲に斬新なディスコアレジを施し、その他の欧米のヒット曲も、その多くがディスコ調にアレンジされている。

 リズムアレンジを担当したジェラール・ガンビュスの才能が遺憾なく発揮されたアルバムで、シンセサイザーも多用されてはいるが、年代的にアナログシンセ全盛の時代であり、その音色にはどこか温もりが感じられる。

 

《曲目》

 

1)恋はみずいろ'77(Love Is Still Blue)

2)エーゲ海の真珠(Penelope)

3)シバの女王(La Reine De Saba)

4)雨の中の語らい(Viens Faire Un Tour Sous La Pluie)

5)君に捧げるメロディ(This Melody)

6)潮風のマリー(J'Attendrai "Tornerai")

7)恋のシャリオ(I Will Follow Him “Chariot”)

8)見つめ合う恋(There's A Kind Of Hush)

9)17歳の頃(At Seventeen"“17 Ans”)

10)マホガニーのテーマ(Musique Du Film "Mahogany")

11)オール・バイ・マイセルフ(All By Myself)

12)愛がすべて(Can't Give You Anything)

 

 

1)〜3)*詳細は「名曲コレクション」参照

4)フランスのポップスバンド《Il était une fois》の1975年のヒット曲で、アレンジを担当したのはジャン・ミュジー。女性ヴォーカルのジョエル(Joëlle)はバンド解散後にソロ歌手としてデビューするが、29歳の若さで他界している。

 

5)ジュリアン・クレールの1975年のヒット曲。この曲のアレンジを担当したのはミシェル・ベルナルク

 

6)オリジナルはイタリアの「Tornerai」(「(あなたは)戻ってくるでしょう」の意)という曲で、これが戦後になってフランスで「J'Attendrai (待ちましょう)」というシャンソンになり、ティノ・ロッシをはじめとする歌手たちにカバーされた。そして1976年にはエルベ・ロイによってディスコアレンジが施され、ダリダが歌ってリバイバルヒットした(その時の邦題が「潮風のマリー」となる)。

《競演》フランク・プゥルセルレイモン・ルフェーヴルカラベリ

*R.ルフェーヴルの演奏は映画『ル・バル(Le Bal)』の(1983年/仏・伊・アルジェリア)の中で使用された。

 

7)一般に映画『天使にラヴソングを』のテーマ音楽として広く知られているが、オリジナルは「シャリオ(Chariot)」というシャンソンで、ペトゥラ・クラークが歌いヒットした(全仏1位)。作曲はフランク・プゥルセルポール・モーリアの共作となっている。

*詳細は「名曲コレクション」参照

 

8)1976年にカーペンターズによってリバイバルヒット(イージーリスニングチャート1位)したが、オリジナルはニュー・ヴォードヴィル・バンドによって1966年にリリースされている。

 

《競演》

◇レス・リード ◇パーシー・フェイス ◇レイ・コニフ ◇フランク・プゥルセル 

◇レイモン・ルフェーヴル ◇カラベリ

 

9)ジャニス・イアンが自らの思春期時代を綴ったオリジナル曲で、1975年にイージーリスニングチャートで1位となる。フランスでもクロード・フランソワがカバーしてヒットしている。

 

10)映画『マホガニー』(1975年/米)の主題歌(Do You Know Where You're Going To)で、映画にも主演したダイアナ・ロスが歌ってヒットした(アカデミー賞歌曲賞にノミネート)。

《競演》

◇フランク・プゥルセル ◇レイ・コニフ

 

11)*「名曲コレクション」参照

12)ディスコブームを牽引したコーラスグループ、スタイリスティックスのヒット曲(全英1位)で、アレンジはヴァン・マッコイが担当している。フランスでは“A Quoi Sert De Vivre Libre?”のタイトルでニコレッタが歌ってヒットした。

 

《競演》

◇フランク・プゥルセル ◇レイモン・ルフェーヴル

 

 

*このアルバムにはボーナストラックとして7曲が収録されている(“Love is Still Blue”の3つのバージョンを含む)