*ジャン・ミュジー(Jean Musy)の訃報(4/26)に接し、急遽《私のレコードアルバム》として取り上げることとしました。

 

 

 

 《アルバム解説》

 

 1979年に日本でリリースされたアルバム『ブローニュの詩(Chanson De Boulogne)』は、フランシス・レイ名義ではあるが、実際にはアレンジャーのジャン・ミュジー(Jean Musy)の作品集ともいえる、極上のイージーリスニング・アルバムとなっている。ただしアルバムのクレジットでは全曲J.ミュジーと記載されているが、一部サントラ盤の音源(アレンジ:クリスチャン・ゴベール)が使用されていると思われる。

 ホンダ・アコードのテーマ曲としてF.レイに委嘱された「エモーション(Emotion)」をはじめ、「男と女」「白い恋人たち」「個人教授」「ある愛の詩」といったF.レイの代表的な曲、最新の映画音楽等がバランスよく配置され、シンセを多用したJ.ミュジーならではの繊細でモダンなアレンジが見事に開花した完成度の高いアルバムとなっている。

 

《曲目解説》

 

1)エモーション(Emotion)

2)心に翼を(Wings Of The Heart)

3)男と女(Un homme Et Une Femme)

4)オブセッション(Obsession)

5)個人教授(La Lecon Particuliere)

6)愛をもう一度(Si C'etait A Refaire)

7)白い恋人たち(13 Jours En France)

8)ある愛の詩(Love Story)

9)続エマニエル夫人(Emmanuelle Ⅱ)

10)木陰の少年〈少年のテーマ〉(Child Under A Leaf)

11)猫と小ネズミ(Le Chat Et La Souris)

12)人生は愛(La Vie C'est L'amour)

 

1)12)はアレンジの異なる同じ曲であるが、日本のCMでは1)がアコード・ハッチバックのテーマとして使用され、12)がアコード・サルーンのテーマとして使用された。本アルバムが日本独自編集であり、一部サントラ音源が使用されていると思われたため、SNSを通じて直接J.ミュジーに問い合わせたところ、この2曲に関しては自分のアレンジであるとの回答を得ることができた。「あなたのアレンジが大好きです」とメールで送ったところ、「今度日本に行ったら是非会いましょう」とのメールを受け取ったものの、その夢は結局実現されなかった...。

 ちなみに「エモーション」と題された録音(CD)は何種類も出回ってはいるが、その大部分が「人生は愛」であり、アルバムトップの録音は、現在『フランシス・レイ 映画音楽集成』でのみ聴くことができる(CD)。

 
 

3)7)8)*「名曲コレクション」参照

6)10)はともにクロード・ルルーシュ監督の作品であるが、アルバムの音源はサントラから流用したものと考えられる(アレンジはクリスチャン・ゴベール?)。

9)サントラ盤ではシルヴィア・クリステル自身が歌っていたが、ここではF.レイとステファニーのデュエットで収録されている。