《曲目解説》
スペインの歌手ジョアン・マヌエル・セラート(Joan Manuel Serrat)の1969年のヒット曲で、アウグスト・アルゲロ(Augusto Algueró)が作曲(作詞はJ.M.セラー)。
「ペネロペ」はギリシャ神話に登場する女性で、戦争に出征した夫を待ち続ける貞淑な妻であるが、これをモチーフに帰らぬ男を駅のプラットホームで待ち続ける女の物語に仕立てられている。ちなみに歌詞の内容に「エーゲ海」は一文字も登場しない。
1996年にはアルゼンチン出身のディエゴ・トーレス(Diego Torres)が歌い、ラテン諸国でリバイバルヒットした。
日本ではシャンソン評論家・作詞家の永田文夫氏が「プラットホームの女」という日本語歌詞をつけ、トリオ・ロス・チカノスが歌ってレコーディングした(1978年)。
《競演》
ポール・モーリアはメキシコ向けに特別編集された『Amor, Sol Y Mar』(1970年)に収録したが、このアレンジをサポートしたのがアンドレ・ボルリである。まるでプログレッシヴ・ロックのような壮大なオーケストレーション、そして中間部のダニエル・リカーリのヴォカリーズが何よりも素晴らしい。
P.モーリアは1976年にディスコ・ヴァージョン、1988年には再びD.リカーリをフューチャーして3度目の録音をしている。その後ポニー・キャニオンに移籍してからも新たに録音を残している。
カラベリは日本からのリクエストで録音(1977年)し、アルバム『ジェットストリーム』に収録しているが、その原型はP.モーリアのアレンジを継承している。
作曲者のアウグスト・アルゲロも自身のピアノをフィーチャーした録音を残している。
*ジェラール・ガンビュスによる新録音