《アルバム解説》
本アルバムは『Paul Mauriat Plays Love Themes』とあるように、12曲中8曲が映画音楽の「愛のテーマ」という構成となっている。
ミシェル・ルグラン、フランシス・レイ(4曲)、そしてニーノ・ロータといった「売れっ子」作曲家による作品がずらっと並ぶ。
ただこれらの曲は同時期のフランスのオリジナルアルバムには大部分が収録されておらず、ライナーノーツによれば、1971年の来日記念盤として、日本からのリクエストに応える形で録音されたとのことである。
《曲目解説》 *は「名曲コレクション」にて解説(今後の予定も含む)
1)シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)*
2)サウンド・オブ・サイレンス(Sound of silence)
3)ベニスの愛のアダージョ(Adagio du concerto pour haut bois de A. Marcello)
4)果てしなき愛(Donne ton cœur, donne ta vie)
5)燃える橋(Burning bridges)
6)白い恋人たち(13 jours en France)*
7)ジェントル・オン・マイ・マインド(Si douce à mon souvenir)
8)さらば夏の日(Du soleil plein les yeux)
9)星空に捧げて(Some you win, some you lose)
10)個人教授(La leçon particulière)
11)流れ者(Le voyou)
12)ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)*
《曲目解説》
2)ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』(1967年/米)のテーマ曲として知られているが、オリジナルは1964年にサイモン&ガーファンクルが発表した楽曲。翌年、原曲にドラムス等を加えてオーバーダビングされた曲が大ヒット(全米1位)し、映画の挿入歌として使用されることとなった。S&Gが映画のために書き下ろした曲は「ミセス・ロビンソン」である。
《競演》カラベリ
3)映画『ベニスの愛』(1970年/伊)のサブテーマとして使用されたアレッサンドラ・マルチェッロの「オーボエ協奏曲ニ短調」の第二楽章をアレンジしたもの。P.モーリアはこの映画の主題曲「ベニスの愛(Anonimo Veneziano)」(音楽:スティルヴィオ・チプリアーニ)も録音している。
《競演》レイモン・ルフェーヴル
4)P.モーリアのアルバム『Un banc,un arbre,une rue』(1971年)に収録されたミレイユ・マチューのオリジナル曲(1970年)。M.マチューのヒット曲「気まぐれを許して(Pardonne Moi ce caprice d'enfant)」と同じく、パトリシア・カルリの作曲。
《競演》カラベリ
5)クリント・イーストウッド主演の映画『戦略大作戦』(1970年/米)のテーマ曲で、ラロ・シフリンが音楽を担当した。
7)この曲は映画『ドクトル・ジバゴ』にインスピレーションを得たジョン・ハートフォードが30分で書き上げたと伝えられる。原題にあるフランス語“Si douce à mon souvenir”はクロード・フランソワがカバーした時のタイトルである。
6)8)10)11)はフランシス・レイの作曲による映画音楽であるが、10)では当時「スキャットの女王」といわれたダニエル・リカーリが起用されている。
9)1970年のアルバム『Comme j'ai toujours envie d'aimer』に収録されたP.モーリアのオリジナル曲。