《曲目解説》
ブラジル出身のシンガーソングライター、モーリス・アルバートによって歌われ、1975年10月にはビルボードの6位となり、年間チャートでも4位にランクインするなど大ヒットした。
日本では1976年にコーラスグループのハイ・ファイ・セットによってカバー(邦題は単に「フィーリング」/作詞:なかにし礼作詞)され、翌1977年にはオリコン最高2位を記録し、その年の紅白歌合戦にも出場している。
その後、この曲はフランスの作曲家ルルー・ガステ(歌手リーヌ・ルノーの夫)が自作曲“Pour Toi”のメロディを引用していると裁判となり、1988年にガステが勝訴した(ただしM.アルバート自身のオリジナルメロディも一部認められ、作曲者には両者の名前が併記されることとなった)。
ちなみにフランスの歌手マイク・ブラントはM.アルバートの「フィーリング」を仏詞で“Dis-Lui”として歌っている。
まずは“Feelings”/“Pour Toi”/“Dis Lui”の聴き比べから。
《競演》
まずはパーシー・フェイスの演奏から。優しい木管の音色と美しいストリングスのアンサンブルが素晴らしい。
ここからはフランス勢を続けたい。
ポール・モーリアは一度「愛のことづて」の邦題でリリースしたが、日本でのハイ・ファイ・セットのヒットを受けて、改めてアルバムタイトルとしてリリースしている。
フランク・プゥルセルは名盤『コンコルド』に収録(ただし日本では同アルバムは映画『O嬢の物語』のヒットにあやかってアルバムジャケットもタイトルも変更された)。
続いてはカラベリ。「きらめくストリングス」時代のアルバム『O嬢の物語/17才の頃』に収録。
そしてレイモン・ルフェーヴルはずっと遅れて2002年に発売されたアルバム『De Temps En Temps』(当初はDVDオーディオのみ)で初めてリリースしている(音源見当たらず)。
その他には、ニニ・ロッソ、クロード・チアリ、リチャード・クレイダーマンといったソロ・アーティストたちも好んで取り上げている。