《曲目解説》
映画『避暑地の出来事』(1959年/アメリカ)のテーマ曲として、マックス・スタイナー(Max Steiner)が作曲。
避暑地として有名なメイン州パイン・アイランドのホテルを舞台に、男と女、親と子といった人間模様が甘く切なく描かれた作品である。
パーシー・フェイスはいち早くこのテーマ曲を録音(1959年)し、翌年の春から夏にかけて9週連続で全米ヒットチャートの1位を記録し、その年のグラミー賞では年間最優秀レコードを受賞した。
M.スタイナー自身のアレンジによるサントラ盤も発売されており、P.フェイス盤と聴き比べてみるのも一興であろう。
P.フェイスは1969年にリリースされたアルバム『ロミオとジュリエット』にも、新たに女性コーラスをフィーチャーした録音を残している。このアルバムもグラミー賞では「最優秀コーラス賞」を受賞している名盤である。
P.フェイスは1976年に67歳で他界する直前、「夏の日の恋」のディスコ・バージョンである「夏の日の恋'76」を録音した(1975/09/10)。このディスコバージョンを収録した最後のアルバムは、日本では「来日記念盤」として発売される予定であったが、P.フェイスの死により「追悼盤」としてリリースされた。
P.フェイスの死から1年後、彼の楽団に参加していた木管奏者のキム・リッチモンドにより「夏の日の恋よ永遠に」と題されたP.フェイスのヒットメドレー集(シングル盤)がリリースされている。
P.フェイスのオリジナル盤はCBSソニーからリリースされているが、彼の死後、オリジナルのスコアで新たに録音(1993年)したアルバムがビクターからリリースされている(指揮:ニック・ペリート)。
この他にはP.フェイスの来日公演(1974年)を収録した『栄光のコンサート』でもライヴ録音を聴くことができるのだが、現在CD化されているのは、ユーキャン通販ショップで購入できる『パーシー・フェイスの世界』(CD10枚組)のみとなっている。
なお、レイ・コニフ・シンガーズが1987年にリリースしたアルバム『Always In My Heart』には〈A Tribute To Percy Faith〉として「夏の日の恋」が収録されている。
《競演》
P.フェイス以外では、マントヴァーニ、ジェームス・ラスト、ポール・モーリア、フランク・プゥルセル等がある。