本ブログでは基本的には1960年以降の「オリジナルアルバム」を取り上げる予定なのですが、このアルバムはパーシー・フェイスの「夏の日の恋(A Summer Place)」が初めて収録されたアルバムであるということで、例外的に紹介させていただきます。
アルバムがCD化されているものはCDの曲順(通し番号)で、アナログ盤のみの場合は「A-1,2...B-1,2」の形で表示します。
《収録曲】
1 The Theme From "A Summer Place"【夏の日の恋】
2 Non Dimenticar (Don't Forget)【忘れないで】
3 Till【愛の誓い】
4 All My Love (Bolero)【オール・マイ・ラブ】
5 Jamaican Rhumba【ジャマイカ・ルンバ】
6 Delicado【デリカード】
7 The Song From Moulin Rouge (Where Is Your Heart)【ムーラン・ルージュの歌】
8 Tropical Merengue【トロピカル・メレンゲ】
9 They Can't Take That Away From Me【誰も奪えぬこの想い】
10 The Rain In Spain【スペインの雨】
11 The Syncopated Clock【シンコペイテッド・クロック】
12 Swedish Rhapsody (Midsummer Vigil)【スウェーデン狂詩曲】
《曲目解説》
1)映画『避暑地の出来事』(1969年/アメリカ)のテーマ曲として、マックス・スタイナー(Max Steiner)が作曲し、P.フェイスのレコードは翌1960年に9週連続全米ヒットチャートの1位を記録し、同年のグラミー賞で年間最優秀レコードを受賞した。
3)ドイツのベルト・ケンプフェルトの1958年の作品で、トランペットが高らかにメロディを奏でるオリジナルに対し、P.フェイスの演奏はストリングスと男性コーラスを巧みに配した見事な仕上がりとなっている。
6)ブラジルの作曲家ヴァルジール・アゼヴェードの作品で、P.フェイスは特徴的なバイヨンのリズムをチェンバロの多彩な音色で表現した(1952年録音)。
7)フランス印象派の画家ロートレックを描いた映画『赤い風車』(1952年/アメリカ)の主題歌で、作曲は「フランス六人組」の一人ジョルジュ・オーリック。本アルバムではフェリシア・サンダースをフィーチャーしたヴォーカルバージョンが収録されている。
10)ブロードウェイのミュージカル『マイ・フェア・レディ』(音楽:フレデリック・ロウ)の挿入歌であるが、ブロードウェイではジュリー・アンドリュース、映画ではオードリー・ヘップバーンが歌ってヒットした。なおP.フェイスはこの曲を含む全曲アルバム『 My Fair Lady』をリリースしている(1956年)。
11)アメリカのイージーリスニングの草分け的存在でもあるルロイ・アンダーソンの1959年の作品。P.フェイスの演奏は原曲通り、ウッド・ブロックとストリングスのユーモラスな掛け合いがとても楽しい。
12)スウェーデンの作曲家ヒューゴ・アルヴェーンの作品(1901年)。P.フェイスは1953年に録音している。イージーリスニングの王道とも云うべき大編成による管弦楽団の演奏は、70年前とは思えないほどに懐かしく新鮮である。