【曲目解説】
「ミスター・ロンリー(Mr.Lonely)」はボビー・ヴィントン(Bobby Vinton/1935 〜)が1962年に録音、1964年には全米チャート1位を記録した。歌詞の内容は戦場に赴いた兵士が、その孤独な心情を切々と歌い上げたものとなっている。
『ジェットストリーム』のテーマ音楽として、城達也機長時代にはフランク・プゥルセルの演奏が親しまれていたが、二代目機長小野田英一機長時代には、一時、番組のためのオリジナル曲「ジェットストリーム〜アイ・ウイッシュ」(中村由利子)へと変わり、その後、三代目森田真奈美機長時代に、再度「ミスター・ロンリー」が使用された(この時の演奏者は不明)。
さらにその後、伊武雅刀機長、大沢たかお機長、現福山雅治機長とバトンタッチされていく中で、テーマ音楽は溝口肇、古澤巌の演奏が使用された。
なお現在エンディングで使用されている「ミスター・ロンリー」は基本的に溝口肇の演奏であるが、金曜日のみ名渡山遼のウクレレ演奏が使用されている。
【競演】
フランク・プゥルセルの演奏には、番組で使用された録音(1966年)と再録音(1977年)がある。基本的にはどちらも同じアレンジ譜で演奏されているために、聞き分けるのはちょっと難しいが、エコーの効いたブラス響きを聴かせてくれるのが前者で、ちょっと詰まったようなブラスの音色が後者と意識すれば区別できるだろう。
*1966年録音(日本盤は当初B面に収録。1970年の来日時にA面シングルとして再リリース)
*1977年録音
放送2000回(1977年)を記念して録音されたカラベリの「ミスター・ロンリー」は、シンセがリードする演奏で、F.プゥルセルに比べると「夜間飛行」「安らぎ」といったイメージがちょっと薄い。
*「ジェットストリーム〜アイ・ウイッシュ」(中村由利子)
溝口肇(チェロ)、古澤巌(ヴァイオリン)を主体として録音は、共に弦を主体としており、とても上質で「安らぎ感」満点なのだが、やはり城達也機長時代を知る者は「ブラス音」が鳴り響くF.プゥルセル盤に「郷愁」を感じてしまう。
名渡山遼のウクレレは、とてもシンプルな演奏ではあるが、これはこれでとても心地よい。
*12Violinists(高嶋ちさ子)
◇フランク・プゥルセル【1966】☆☆☆
◇フランク・プゥルセル【1977】☆☆
◇溝口肇☆☆
◇古澤巌☆☆
◇名渡山遼☆☆
◇カラベリ☆
◇12 Violinists(高嶋ちさ子)☆
【註】☆☆☆は「たとえアナログレコードしか無かったとしても、レコードプレーヤーを用意してでも聴きたい」名演奏
☆☆は「CDを車に持ち込んで聴きたくなる」演奏
☆は「時々は配信等で聴きたくなる」演奏