1987年1月。
僕は、氷点下20℃の凍てつく街を歩いていました。
頬を切り裂くような冷気の中で上を見上げると、そこには、そびえ立つ摩天楼。
初めて訪れることができた憧れの街に立っている嬉しさで意気揚々とした20代の若かりし僕でありました。
憧れの街・ニューヨーク。
ビジネスの為、機会を与えられた2週間の滞在。
その日一日のミッションを終えると、寸暇を惜しんでニューヨークの街の中を歩き回り、お目当ての場所に出かけていきました。
近代美術館にアポロ劇場。そしてブロードウェイのミュージカル。
エレベータで最上階に昇り、カクテル「マンハッタン」を飲んだのはかの大事件の舞台となったワ-ルド・トレード・センターでありました。
どの場所も、日本を発つ前からあれこれと思い描いた場所であり、そこをひとつづつ訪ねて行くのが何よりも嬉しかったのを今でも鮮明に思い出します。
そんな「ここも絶対外せない」と訪れた場所のひとつにニューヨークのグランドセントラル駅の中にある有名な「オイスター・バー」がありました。
「ニューヨークで牡蠣」というのが、なんとなくピンと来なかったものの、大好物の牡蠣となにより世界的に有名なこのお店に入ってみたいというミーハー的好奇心が僕に足を向けさせたのでありました。
「ちょっと高いのはのれん代かな」なんていう生意気な感想をもった20代の僕でありました。
月日は流れて、あれからもう四半世紀近く。
先日、名古屋市内の本屋さんで偶然見つけたこの一冊で、この都市が歩んできた歴史と牡蠣が、実は、深い関係にあることを知ることとなったのであります。
今は、ニューヨークはその愛称として、「ビッグ・アップル」と呼ばれますが、なんと、それ以前はこの場所は「ビッグ・オイスター」と呼ばれる地であったのでした。
ヨーロッパからの植民地侵略が始まる以前、、この場所の海は牡蠣が湾の中を覆い尽くすほどの豊かな場所であり、先住の人々は、その恵みを享受して暮らしてきました。
やがて、植民地に入植してきたヨーロッパからの移民たちによって始まった都市開発によって芳醇な海はて引き起こされた環境破壊により牡蠣のみならず多くの海からの恵みが手に入らなくなってしまったというもの都市の持つ隠れた歴史が著者によって解き明かされていきます。
これから冬になり、店先にぼちぼちと牡蠣が並べられるようになりました。
この冬、あのマイナス20℃の凍てつく街を「ニューヨーカー」を気取って歩いたのを思い出しながら伊勢の牡蠣を食したいと思う僕であります。
僕は、氷点下20℃の凍てつく街を歩いていました。
頬を切り裂くような冷気の中で上を見上げると、そこには、そびえ立つ摩天楼。
初めて訪れることができた憧れの街に立っている嬉しさで意気揚々とした20代の若かりし僕でありました。
憧れの街・ニューヨーク。
ビジネスの為、機会を与えられた2週間の滞在。
その日一日のミッションを終えると、寸暇を惜しんでニューヨークの街の中を歩き回り、お目当ての場所に出かけていきました。
近代美術館にアポロ劇場。そしてブロードウェイのミュージカル。
エレベータで最上階に昇り、カクテル「マンハッタン」を飲んだのはかの大事件の舞台となったワ-ルド・トレード・センターでありました。
どの場所も、日本を発つ前からあれこれと思い描いた場所であり、そこをひとつづつ訪ねて行くのが何よりも嬉しかったのを今でも鮮明に思い出します。
そんな「ここも絶対外せない」と訪れた場所のひとつにニューヨークのグランドセントラル駅の中にある有名な「オイスター・バー」がありました。
「ニューヨークで牡蠣」というのが、なんとなくピンと来なかったものの、大好物の牡蠣となにより世界的に有名なこのお店に入ってみたいというミーハー的好奇心が僕に足を向けさせたのでありました。
「ちょっと高いのはのれん代かな」なんていう生意気な感想をもった20代の僕でありました。
月日は流れて、あれからもう四半世紀近く。
先日、名古屋市内の本屋さんで偶然見つけたこの一冊で、この都市が歩んできた歴史と牡蠣が、実は、深い関係にあることを知ることとなったのであります。
今は、ニューヨークはその愛称として、「ビッグ・アップル」と呼ばれますが、なんと、それ以前はこの場所は「ビッグ・オイスター」と呼ばれる地であったのでした。
ヨーロッパからの植民地侵略が始まる以前、、この場所の海は牡蠣が湾の中を覆い尽くすほどの豊かな場所であり、先住の人々は、その恵みを享受して暮らしてきました。
やがて、植民地に入植してきたヨーロッパからの移民たちによって始まった都市開発によって芳醇な海はて引き起こされた環境破壊により牡蠣のみならず多くの海からの恵みが手に入らなくなってしまったというもの都市の持つ隠れた歴史が著者によって解き明かされていきます。
これから冬になり、店先にぼちぼちと牡蠣が並べられるようになりました。
この冬、あのマイナス20℃の凍てつく街を「ニューヨーカー」を気取って歩いたのを思い出しながら伊勢の牡蠣を食したいと思う僕であります。
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