「暑さ寒さも彼岸まで」

先人たちが言い慣わした言葉の通り、日中の直射日光はまだまだ強いものの、日が落ちれば一気に気温も下がり、夜、虫の音を乗せて窓の外から入る風はときにひんやりとした冷気を感じるようになりました。
秋の訪れを確実に実感する伊勢湾沿岸であります。

さて、毎朝ネット上のニュースサイトでヘッドラインを読むのが日課の僕ですが、このところキナ臭いものや悲惨なニュースばかりでちょっとヘキヘキしておりました。
そんな、思いのなか、久々に「日本人の底力」を世に知らしめるニュースが報じられました。



元素周期表

誰もが高校生の頃に一度は習ったことでしょう。
僕もまたしかり。

「水兵、リーベ、僕の船。。。。。」

それまで大好きだった「化学」の授業が、このこのなんともセンスのない語呂合わせの暗記歌によって無理やり暗記させられたのにすっかり嫌気がさし大好きだった「化学」の授業を大嫌いにさせられた言うなれば僕の仇敵のような存在でした。

昨年、その周期表にまつわる本を読んで、その奥深さにと面白さに30年以上の時を経て気づかされたのでありました。

(その顛末はこちらの記事

その本を読んで、そこに書かれている一節に大いに驚いたのでありました。

いわく

「元素周期表はいまだ不完全であり、その周期表を埋めるため、世界中の最高峰の科学者たちが新しい元素の発見にしのぎを削っている」


そもそも元素周期表が「不完全」であるということにまず驚き、また、さらには、言葉としては「発見」ですが、その実態は、自然界に存在しない元素を科学技術の粋を結集しての「創生」していく作業であるということに2度びっくりさせられたのでした。


いやはや、科学の世界の最先端では、こんな熾烈な戦いが繰り広げられていたとはまったく知りませんでした。

この競争は、ある意味、先ごろ発表された「ヒッグス粒子の発見」よりも意味深いのではないかと思うのであります。

だって、ヒッグス粒子は、これまで発見されなかっただけで、ちゃんと「自然界に存在している」のですから。

でも、この新しい元素を発見する作業は「人が技術と英知で作り出す」というのですから、「自然界から見つけ出す」のとは明らかに「わけが違う」と僕は思うのであります。



さて、その「新元素発見(創生?)」において、何より重要なのは



発見された新しい元素の「命名権は、発見者に与えられる」



ということ。



その命名権という「名誉」を手に入れるため、国家の威信を掛けての熾烈な発見競争が世界中で繰り広げられているのだそうです。



そして、今朝、このニュース が届きました。





このところ、紛争や痛ましい事件・事故、自然の猛威による天災。。。。心痛むニュースが多いなかで、久々に素晴らしいニュースに出会えました。


「日本人の底力」をあらためて再認識し、そしてそのことを心から誇りに思いたい僕であります。




秋風の爽やかさとともに届いた更に爽快なニュースに気分も「秋晴れ」の僕であります。



**** 付 記 ****


報道によれば、新元素の名前にはいくつか候補が上がっている中で、最有力候補は「ジャポニウム」なのだそうです。

たしかに日本初であり、それも素敵な名前だと思いますが、ちょっとストレート過ぎてなんだか日本人奥ゆかしい感性が削がれてしまう気がします。

これは僕の勝手な思なのですが、ここはあえて「直接的」な名前を避けて情緒豊かな名前にしてくれたらうれしいなと思ったりいたします。


「サクラニウム」


なんてすごく素敵だなと思う僕であります。


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