つい、この間、「明けましておめでとうございます」と新年のご挨拶をしたばかりと思いきや、あれよあれよと時は過ぎ、早くもカレンダーは折り返し点に来てしまいました。




一年の早さは、実は「加速しているのではないか?」と疑いたくなる今日この頃でありますが、そんなことはあるわけもなく、季節の営みは規則正しく移ろい、大自然は、初夏の風景を見せてくれているのであります。


こちら伊勢湾沿岸も頬に心地よい柔らかな海風が吹きわたり、初夏の訪れを実感する毎日です。




さて、初夏を迎えたこの時期は、畑仕事も本格的な夏に向けた準備の期間であります。


さしずめ、「畑の衣替え」といったところ。




冬の間、休ませていた土を再び耕し、酪農家の親戚から分けていただいた「牛ふん堆肥」を施し「無農薬&有機野菜」の土作りをして、夏野菜を植えていきます。






なす・トマト・ピーマン・キュウリ




そして




カボチャにトウモロコシ。




今年は、ズッキーニの苗が手に入いらなかったため、残念ながらラインナップ出来ませんが、ほぼいつものレギュラーメンバーは整いました。


それに加えて、これも忘れちゃいけないサツマイモの定植も無事終わりました。




そんな新た季節に向けて整ったわが畑の景色をエプ子さんで切り取ります。




(夏モードの畑です)


海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-




植え付けが終わった畑ですが、そこには、まもなく収穫を迎える野菜たちもいます。


写真の左にあるのがジャガイモの畝。


今、花盛りを迎え、この花が落ち、茂っている葉と茎が茶色く枯れ始めたら「収穫の合図」です。

順調に行けば3週間後には収穫できるのではと思っています。

その奥でチューリップのおばけみたいな花をつけているのが、アーティチョーク。


ヨーロッパでは、すごく人気の野菜だそうですが、たまたま園芸店の「観葉植物コーナー」で苗を見つけたので「お遊び感覚」で植えてみたところ、どうやらうちの畑の土と「相性ばっちり」だったようで、さして手入れをしないにもかかわらず、毎年こんな感じで沢山のつぼみをつけてくれるようになりました。




で、アーティチョークの右側にある背の高い大きな葉を茂らせた植物。

これ、なんだかお分かりでしょうか?


これが、今日のご報告の「主役」です


植物にお詳しい方なら(九州のマダムとか)、「あっ!これは芭蕉だね」と仰るかもしれません。




はい、惜しいっ!!




じつは、これ、れっきとした「台湾バナナ」の樹なのであります。


いつもお世話になっている「癒し家」の親方さんの畑からやって来ました。




僕と親方さんとは、「週末百姓」のお仲間同士。

お互い、種や苗を分け合ったり、ときには、栽培のお手伝いをしたりする間柄なのであります。

で、この台湾バナナの樹ですが、最初、お茶とお花の師範である癒し家の大女将さんが、花展に出品する生け花の「花材」として「一枝だけ」手に入れたのですが、その枝から根が出たということで、「折角だから」と親方さんが自分の畑に植えたのがそもそもの始まり。


以来、親方さんの畑でどんどん育ち、かなり大きな株となっていたのであります。


バナナの大きな葉っぱは、BBQの余興で、食材を包んで焚き火の中でポリネシアン風に蒸し焼き料理に使ったり、はたまた、畑の「敷き藁」代わり使ったりと、何かと重宝いたします。

そんなことで、親方さんから何度か葉っぱを頂いていたのですが、ある時、「バイアリー君、うちの株が大きくなり過ぎちゃったから、ちょっと間引こうと思うんだけど、よかった株を分けてバイアリー君とこにも植えてみるかい?」と声をかけてくださいました。
そんな経緯を経て、我が畑に婿入りしてきたのでありました。

それが、かれこれ5年前のこと。


以来、ご覧の通り、順調に育ってきておりました。




れっきとした台湾バナナの樹とはいえ、さすがに温帯の伊勢湾沿岸、冬には霜が降りれば、雪だってしっかりと積もります。対岸の鈴鹿山脈から吹き降ろす北西風は、身を切るような冷たさです。

樹は育ち、葉は茂りますが、それ以上の生育はまず無理だと思っておりました。


この週末、畑の水遣りをして、足元のジャガイモとアーティチョークの様子を見ていたのですが、ふと見上げてみたら


(うわぁ~~っ!実がなってる!!)


海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-





あらためて、申し上げます。





温室ではありません!!




畑に露地植えです!!




冬には、雪も積もります!!




凍てついた霜だって降ります!!






いやはや、さすがに驚きました。





「ところで、実ってなります?」



「んなわきゃないでしょ~。亜熱帯じゃあるまいし」



「ですよねぇ~!」






かつて、親方さんとかわした会話です。




少なくとも親方さんの畑では実がなったことはないはずです。


僕のところでもこの五年間、確認されたことは一度もありません。




このところの夏の酷暑が、亜熱帯の性質から生物学的に温帯型へと進化してしまったのでしょうか?




自然の力は、神秘の世界であることを改めて思い知ったこの週末の僕でありました。






これから、しばらく、この実がどう育つか、観察しいきたいと思います。


折に触れ、この田舎駄ブログでご報告してまいります。




はたして、食用になるまで成熟するのか?






乞うご期待ください!!