5月2日。

佐世保のホテルで爽快な目覚めを迎えた朝。
身支度を整えて、列車に乗り込みます。

これより博多に戻ります。
5月のこの時期としては、珍しく空は厚い雲に覆われ、時折車窓に水滴が当たるのを眺めながらの旅でした。

11:40分過ぎ。列車は博多駅に到着しました。
さて、ここから事前にご案内いただいていた場所へ向かいます。

この田舎駄ブログを始めて以来沢山のありがたきご縁に恵まれてきました。
そのご縁は、ネット社会の仮想の枠から飛び出し、時差と国境さえも飛び越えてのリアル社会での大切なつながりへと広がっていきました。
今回、佐世保で過ごした時間もまさにネット社会のありがたきご縁の賜物でした。
そして、今日、また、ネット社会からリアル社会へとつながる新しい時間が訪れることになったのです。

かれこれ今から6年ほど前。
初めてその方のブログにお邪魔した僕。

日々の日課として楽しまれる散歩道にある四季に彩られた景色。
都会の中に在るかつてのお城として威勢の名残を残しつつ、でも、栄枯盛衰の時代の流れの中で、今は、そっと佇むようにして静かに在るその風景をその方の植物や生き物を大切に愛しむ優しい眼差しによって切り取られたお写真や文章が本当に美しいブログでした。
ひと言「素敵だな」とつぶやいたのを6年たった今でもしっかり憶えています。
その方の歩かれる散歩道を僕は「日本一の散策路」と名付けさせていただきました。

僕が敬意を込めて「空ヤさん」とお呼びする「日本一の散策路」を楽しまれるそのお方とは、

tikotikoの*四季を感じて・・・・・♪ 」のtikotiko様。

実は、こちらは最近お引越しされたばかりのいわば「新居」。
約6年にわたって続けられたブログが手狭になっての事でした。
それまでの旧居はこちらの

私的きまぐれ今昔

であります。


さて、tikotiko様から事前にご案内いただいていた場所に向かいます。
博多駅から地下鉄に乗り込み「大濠公園駅」まで。

(地下鉄を降りて外に出ます)
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レトロな外観の郵便局の前を通り公園の中へ入ります。
池に沿った道を進むとご案内いただいたカフェにたどり着きました。

待ち合わせ時間より少し早く着きましたので、店内に入り、出迎えてくれた店員さんに「待ち合わせをしておりまして」と告げますと、池に面したテラス席から、こちらに会釈をしてくださっているご婦人の姿が。


6年目にして初の「お目通り」が叶いました。


そのお人柄は、ブログのイメージとピッタリ重なり、僕のなかでは「寸分違わず」でありました。
まるで、これまでスクリーンに映された「影絵」が、そのまま実物になって目の前に姿を見せてくださったという感じ。

僕が唯一この田舎駄ブログで心に決め、希求する

「人の息遣いが聞こえるブログでありたい」

を形にしてくださる方がここにも居て下さったことが、本当に嬉しかった僕であります。


まずは、出会いに乾杯。

何しろ、6年に渡り「人の息遣いが聞こえるブログ」を温かく見守ってくださっるtikotiko様でございます。こちらのことは「先刻、百も承知」でしょう。
ここに来ていまさら、妙な遠慮もありますまい。
店員さんに堂々と

「生ビール下さい」

そうしましたら、嬉しいではございませんか。

「では、私も白ワインを」

おっしゃって下さいました。

ところで、待ち合わせ時間よりちょっと早かったつもりでしたがお待たせしてしまいました。
伺えば、何と、わざわざ、この、池沿いのテラス席を確保するために早くに起こしになって僕を待っていていてくださったのでした。

「このテラス席、人気が高いのでいつでも満席で「早い者勝ち」ですから」とのこと。
本当にありがたいことでありました。

早くお越しになられたtikotiko様がお撮りになったテラスからの風景。

(photo by tikotiko様)
海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-

福岡城の外堀の役割があった入り江を改修し中国の西湖をモデルにして作られた池です。
毎年八月1日には、花火がこの池から打ち上げられ、このテラス席はVIPの観覧席として使われるのだそうです。

この素晴らしい景色を眺めながら、tikotiko様は、このお店の名物料理のグラタン。(乳製品が駄目な)僕は、クラブサンドイッチ。

食事を頂きながら、楽しくおしゃべり。
ビールを2杯お代わりし、さらにはコーヒーも2杯お代わりしても、まったく話題は尽きることがありません。

気が付けば2時間半以上たっておりました。

まだまだ、おしゃべりの種はつきませんが、残念ながら、夕方のフライトの時間は決まっております。
tikotiko様に、日本一の散策路をご案内いただくことにしました。

(お店を出る前に記念撮影)
海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-



この日の天候は、曇り空。
小雨気味とはいえ、傘を差すまでの事もない程度。
今回は、「五月晴れの青空」には恵まれませんでしたが、大陸からの「黄砂」の影響の大きいこの福岡の地では、かえってこのくらいの天候の方が「絶好のお散歩日和」なのでありました。(けっして負け惜しみではなく、最良のお散歩日和であります。)

僕もエプ子さんを取り出します。

以下、散策で出逢った風景のご紹介。


海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-


海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-


福岡藩主・黒田氏の居城。
47万石の大大名の居城にふさわしく、苔むした石垣、威風堂々とした門構えの楼門、そしてそこかしこに配置された櫓などが遺され、また、近年行政によって、修復整備が進められています。

tikotiko様曰く、「整備されるのは良いけどもあまりに整然とし過ぎてかつての風情が損なわれるのがちょっと勿体無い気がします」とのことでした。
そのまま放置しては、荒廃して、いずれは朽ち果ててしまいますので、修復は不可欠ですが、その当たりの佐s時加減は、なかなか難しいことでしょう。


さて、楽しく散策が進みます。
僕の大好きな「日本一の散策路」です。
これまご紹介いただいた場所が目の前にあるというだけで、もう、楽しくて・楽しくて!!
しかも、tikotiko様の名解説付きという「贅沢ツアー」。
そらもう、tikotiko様の知識のお詳しいこと・お詳しいこと。
生えている植物はもちろん、樹木の枝に隠れてて、探さないとその姿が見えない鳥たちまで、「あそこにいます」と教えていただりして。

もう、脱帽です。


福岡では、藤の花も終わり、つつじもちょっと盛りを過ぎた頃。
そんなご解説を頂きながら、たどり着いたのは、「牡丹・芍薬園」。

こちらもの牡丹は名残りでありました。
そして、芍薬はたくさんの蕾をつけて、これからの出番を待っているところ。
あと2週間もすれば、素晴らしい景色が広がることでしょう。

(名残りの牡丹)
海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-


(満開を待つ芍薬)
海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-


ここでも「立てば芍薬、座れば牡丹」という慣用句が何故そう言われるのかを教えていただいたりして。
もう、「歩くトリビアの泉」とお呼びしたいtikotiko様でございます。


楽しい散策もお名残惜しくありますが、フライトの時間が迫ってきました。
地下鉄の駅までご一緒くださり、お見送りをいただいた僕であります。

いつか、蓮の花が満開の頃、是非またお邪魔したいと思います。
そして、是非、東にも足をお運びください。
「こはるちゃんち」に便乗して、京都で再会というのも楽しいと思います。

tikotiko家の歴史が詰まった大切な品もお贈りくださいました。(この品については、tikotiko様にご了解いただけたらいずれの機会に記事にさせていただきます)


5月2日 17:00。

ありがたきご縁に沢山の感謝を残し、ネット社会の一期一会のすばらしさを噛みしめながら、伊勢湾の空港に向けて飛び立った僕でありました。


「帰ってからの我が家の出来事」編へ続く。