この週末、土曜日の雨のおかげで畑もお休み。
日曜日は、春のG1・クラッシク第一弾皐月賞を観て、引き続きF1中国グランプリを観戦したすっかりテレビっ子だった僕であります。

それぞれのレースの結果と感想は、ひとまず置いておくとして、テレビ画面の向こうから映し出された「ひとつの光景」に思った事を書いておきたいと思います。



F1中国グランプリ。
優勝したのは、メルセデスAMGチームのニコ・ロズベルグ選手。
ポール トゥ ウィンの見事な勝利でした。
ついつい、若手だとばっかり思っていましたが、実は、すでにF1歴110戦を超えるベテランと呼んでいい選手。
でも、それは彼のレースキャリアにおいてであり、実際の彼自身を見るならば、まだ若干20代の青年であります。
まだ・まだ「若造」と言ってよいかもしれません。

その若造が、初めて上がる表彰台の真ん中に立った時に見せた仕草に目が留まった僕でありました。


彼は、表彰台の上でまず真っ先にレーシングスーツの襟を正し、そして、半分下ろされてたファスナーをしっかり首元まで上げて、その服装の乱れを整えたのです。


彼が、服装を整えた直後、彼の母国・ドイツの国歌の演奏と国旗の掲揚が始まりました。


我が祖国を愛し、そのことに高い誇りを持ち、国家に敬愛の礼を尽くす。

ごくごく自然に、何の迷いも無く身だしなみを整えるその姿に彼の祖国への想いを見た僕であります。


国を愛し、国への尊敬と誇りを賭けて与えられた場で懸命に結果を追い求める。

きっと彼らにとってその仕草は、ごくごく当たり前の事なのでしょう。
それが、たとえ、晴れやかなポディウムの場でなかったとしても、きっと自然にその仕草をしたことでしょう。




日本人、「本当に大切なこと」をちょっと忘れていませんか?



海風に揺れる枝からはらはらと舞い落ちる「桜吹雪」。

日本人が「心の拠りどころ」として愛してやまない花が織りなす情景と、テレビ画面の向こうから届いた20代の一人のドイツ人青年のごく自然になされた何気ない仕草に「やるせない恥ずかしさ」を思った日曜日の夕暮れでした。