このところ、朝夕にはめっきり冷え込む日が多くなり、日一日と秋の深まりと季節が冬に近づいているのを実感するこちら伊勢湾沿岸です。
そんな季節を迎え、我が畑も先週には息子を中心にイトコ軍団により秋の収穫を行いました。
さて、畑も秋の景色が広がっておりますが、庭先も秋色に染まっております。
エプ子さんでその光景を切り取ります。(その他のショットは別堂 にて)
(たわわに実った秋色の実)
庭に植えられた姫柚子の木。
昨年は裏年でしたので少し寂しい実りでしたが、今年は当たり年となりこうして枝一杯の実をつけてくれました。
ほとんど手入れをしていないにもかかわらずこうして実ってくれる事を本当にありがたく大自然の営みに感謝する僕であります。
この色づきを迎えたら、僕がひと仕事する合図です。
この実が色づけば、まもなく冬を迎えます。
冬の寒い木枯らしが夜に欠かせないのが鍋料理。
目の前の海から届く主役の魚介類届きます。そして、我が畑で育った野菜たちがその脇を固めます。
でも、その主役・脇役を引き立てるのに欠かせない「本当の名脇役」がいます。
その「名脇役」を作り出すのが、僕の秋の恒例行事。
そう、今年もぽん酢を仕込むの時期がやってきました。
この日曜日、空を見上げれば今にも雨が降り出しそうです。「家の中で仕事には打ってつけ」ということで作業開始です。
作業をしながらエプ子さんを操るのはちょっと難儀でございます。
ということでオリ江ちゃんとバトンタッチです。
まずは摘み取りです。
どんより曇った空を見上げながら大急ぎで仕込みに使う分だけ収穫です。
(今年は豊作)
(桶に入れて水洗い)
皮に付いたホコリや汚れを落としてやったら一旦ざるに上げて水切りです。
柚子の水切りをしている間に「ベースたれ」に取り掛かります。
用意するのは
そして
(昆布と鰹節)
ぽん酢作りのレシピは様々なものが世に出回っていますが、僕のやり方は昔から日本酒をベースにする方法。
まずは、日本酒を火にかけて沸騰させます。
そして、しっかりアルコールを飛ばしてやります。
(アルコールに火をつけて)
ある程度アルコールが飛んだら、そこに昆布と鰹節を入れてしっかり出しを煮出してやります。
昆布と鰹の旨味が出たらころあいを見計らって味付けをしてやります。
(醤油とみりんそしてオレンジ・キュラソー)
僕のポン酢は柚子を使いますので、橙(だいだい)と違い、少し酸味が強い風味になります。その酸味とのバランスをとるためオレンジキュラソーで風味付けをしてあげるのが僕のオリジナル。
火にかけながらそれぞれを加え味が調ったらひとまずベースたれは完成。
火を止めて、冷ましてやります。
さて、ここからがもう一仕事。
火を止める頃には、先にざるに上げた柚子の水切りも程よくなっております。
その柚子をまな板の上でひとつづつ半分にカットしていきます。
ぺティーナイフを入れると部屋一面に柚子特有の爽やかな香りが広がります。
部屋中に広がった香りに包まれながら全ての実をカットしたら、今度はそれを手で絞って果汁を取り出します。
(果汁と絞った実の山)
ちゃんと数えておりませんが、大体5~60個ほどではなかったかと思います。
それを半分して2倍になりますので、ざっと100~120片ほどを絞った計算になります。
作業を終えるまでに大体一時間ほどかかりました。
絞り終えたら指がつった僕でありました。
絞り終えた頃には、先のベースたれも冷めております。
そのベースたれにこの果汁を注ぎいれてかき混ぜたらぽん酢の完成です。
これから迎える冬。
何度となく登場するであろう鍋料理にこの脇役が大活躍してくれることでしょう。
本当は冬が苦手な僕ですが、部屋中に広がった柚子の香りに包まれつつ、今年も冬を楽しみに変えてくれる脇役が出来たことを嬉しく思うのでありました。
とある田舎の秋の行事のひとコマでした。