少し前の事になりますが、10月5日月曜日。
仕事から帰った僕は、夜、ひとつの「荷造り」をしておりました。
昨年秋、僕の元にやってきた相棒エプ子さん。
この一年の間、「写す心」と向かい合うときに常に活躍してくれました。
そのエプ子さんに変調が起き始めたのは9月のはじめ。
エプ子さんの持病ともいえる二重像の「縦ズレ」がとうとう発症したのであります。
そして、更に気になることに無限遠のピントがしっかり出ていない現象にも気が付いたのです。
被写界深度の浅い90mmレンズを使用すると顕著に判るのですが、どうやら、無限遠にピンとリングを回しても手前にピントが来ているようです。
これから、秋が深まる中で、様々な情景に出会うことが出来るでしょう。
その情景を写す心で向き合うためにも相棒には万全のコンディションで居てもらわねばなりません。
そのうえ、間もなく一年を迎えメーカー保証期間も満了します。
この一年、海や砂浜で多く使ってきた相棒です。
潮風による塩分や吹き付ける細かな砂が内部に悪影響を及ぼしていることも考えられます。
そこで、3年振りの鈴鹿へ連れて行ったのを「一区切り」として、信州のエプソン社に入院させ、調整と清掃してもらう事を決断したのです。
10月6日火曜日。
梱包されたエプ子さんは、引き取りにこられた宅配業者さんに手渡され、信州へと送られたのでありました。
翌7日から8日早朝にかけて台風18号の直撃を受けた知多半島ですが、まさに「台風一過」の言葉通り素晴らしい秋の景色が今日まで広がっております。
明日からは、少し下り坂になるとの予報ですが、そのあとには、更に深まった秋の風景に出会える事でしょう。
そんな美しい秋の風景をエプ子さんのファインダーで捉えることが出来ない今、とてもつまらない思いで過ごしている今日この頃の僕なのであります。
エプ子さんが帰ってくるのは今月の終わりか来月の初めだと思います。
その頃には、きっと里も紅葉に彩られていることでしょう。
万全にチューニングされたエプ子さんと秋景色を探しにいける日を心待ちにする今の僕であります。