先週に梅雨入り宣言が出されたこちら東海地方。
が、我が知多半島は、空が、いきなり「梅雨の中休み宣言」をしたかのように薄雲は広がるものの雨の気配とは程遠い週末となりました。
もっとも、その湿度の高さに、まぎれもなく「今が梅雨の真っ最中」であることを肌が実感するのでありました。
さて、その梅雨の真っ只中の今、読んで字の如し「梅」の実を使った恒例行事が我が家にはあります。
その第一弾は、先週行った梅酒の仕込みです。
そして、そう、「梅」と言ったら何といっても「梅干し」であります。
梅所の仕込から一週間遅れて、先週末は梅干の仕込みを行った僕でありました。
前日に梅の実を調達し、早朝に桶に入れて洗います。
そして、その梅の実を水につけて4時間ほど置いておきます。
(梅の実を水につけて4時間ほど)
こうすることで、梅の実から「アク」が抜け仕上がりがまろやかな梅干となるというのが先人の知恵。
僕も先人の営みに倣います。
さて、頃合いを見計らい、いよいよ本格的に作業に掛かります。
まずは、梅からしっかりと水気をふき取ってやります。
(一粒づつしっかり丁寧に)
ある意味、この作業が一番の重要ポイントだといえるでしょう。
なにしろ、梅干の仕込みにとって、水分は「大敵」なのであり、これを怠るとすべて腐らせてしまう悲劇を招きかねません。
ですので、一粒づつ、かなり根気がいりますが絶対に手が抜けない作業なのであります。
さて、それがすんだら、続いて
(竹串を使ってヘタをはずします)
これもまた「一粒づつ」の根気がいる作業です。
先に行った梅酒のときは、4kgほどでしたが、今回の梅干は10kgの梅が相手。その量も2.5倍あります。
昨年は、息子が助っ人に名乗りを上げてくれたのですが、週末は「野球少年」となった彼は、この時間、グランドで白球を追いかけております。
ということで、孤軍奮闘となった今年、すべて終わったときは、ちょっと「ぐったり」した僕でありました。
さて、ここまでくれば、作業も佳境を迎えます。
いよいよ、桶に仕込んでいきます。
まず、桶や漬物石などを消毒用エタノールでしっかり殺菌してやります。
これをしないと梅にカビが発生する原因となります。
次は、梅の実の消毒です。
ボールに35度のホワイト・リカーを入れて、そこに梅の実をくぐらせます。
(ホワイトリカーに梅の実をくぐらせて)
続いて、ホワイトリカーで濡れた実を塩でまぶしてやります。
このとき使うのは、「食塩」ではなく「あら塩」。
さらさらの食塩では、うまくまぶす事は出来ません。
(あら塩を使って)
(ボールの中でしっかりまぶして)
そして、漬物樽の中へ入れていきます。
樽の中に適当に並んだら、塩をふってまた梅の実を並べて。この作業を繰り返します。
このときの塩の分量は、梅の重さに対して18パーセント。
これもまた梅干を腐らせることなく、また、必要以上に塩辛くすることもなく仕上げることできる先人たちが試行錯誤の上で導き出した配分です。
実際、僕も以前、減塩ブームということで13%程度で梅干を仕込んだのですが、そのときはすべて梅を腐らせてしまいその年は全滅の憂き目に遭ったのでありました。
やはり、先人たちの教えには、経験に裏打ちされた根拠が存在すると信じる僕であります。
(梅と塩を樽の中へどんどん詰めて)
すべてを詰め終えたら、あとは、中ブタをして
(最後に重石を載せたら完了です)
これから、2週間ほどで梅の実から梅酢が染み出してくることでしょう。
その頃合いを見計らって「赤しそ」を入れ、そしてまた漬け込みます。
こうして、梅雨の間しっかり漬け込んでやります。
そして梅雨明けを待って、丁度「土用丑」の頃の強い真夏の日差しに干してやると今年の梅干が完成します。
いつも、こうして恒例行事を行うたびに、「四季の営み」に耳を傾け、その移り変わりと日々の暮らしを「調和」させて生きてきた先人たちの知恵と工夫の素晴らしさに心から敬意を表する僕であります。
とある田舎の梅雨の一日でした。