新しい月が始まり、今年もすでに折り返し点に差し掛かりました。
季節もどんどん夏に近づいています。
自然が相手の我が畑も「夏の主役」たちが勢ぞろいしました。
さて、自然を感じるといえば、5月の後半より天気も雨の日が多くなりました。
この雨が多くなる季節は、一年に一度の「実りの季節」でもあります。
そう、「梅雨」の言葉の通り、梅が実る季節。今年も先月の終わり頃より店先に青々とした瑞々しい梅の実が並び始めました。
そして、それは、我が家の恒例行事を今年も行う時期もやってきた合図でもあるのであります。
この週末は、恒例行事の第一弾、梅酒の仕込みです。
今年も昨年同様、日本酒とホワイトリカーをそれぞれ2升づつ(4リットル弱)仕込む事といたしました。
我が家のレシピは、お酒1升当たりに梅の実と氷砂糖が各1kg。
ということで、約4kgの梅の実を手に入れました。
まずは桶に入れて水洗いです。
(桶の中からは、梅の実特有の甘い香りが)
さて、ここからは根気との戦いです。
続いての作業は、水洗いが終わった実からしっかり水気を拭き取ってやらねばなりません。
(一粒づつ丁寧に)
何しろ水気は「腐敗」の原因となります。
この作業を怠れば、すべてが台無しになってしまうこともありえます。
時間と根気は要りますが、絶対に「手が抜けない作業」なのであります。
水気を拭き取られた梅は青々とした光沢に包まれます。
その美しさにこの「レポート」の相棒であるオリ江ちゃんからエプ子さんに持ち替えて、レンジファインダーを覗いた僕でありました。(エプ子さんとのコラボは別堂 にて)
さて、エプ子さんと気分転換したところで、もうひとつの根気が要るひと手間に取り掛かります。
(梅の実に穴を開けて)
竹串を束ねて、梅の実の表面に小さな穴を開けてやります。
こうすることで果肉にお酒が浸透し、果肉から梅の実のエキスがしっかり引き出されることになるのであります。
一粒一粒、実の外周全体に満べんなく穴を開けてやります。
一粒あたり大体20回程度串を打ってやります。すべてを終えると2時間ほどたっておりました。
これもまた、美味しく仕上げるための大切なひと手間であります。
せっかくに手作りですから、出来る限り丁寧にしたい僕であります。
ここまできたら、作業も終盤。
あとは、瓶に詰めていくだけです。
最後にお酒を注ぎいれたら完了です。
(日本酒を4リットル)
(ホワイトリカーを3.6リットル)
(仕込み年を書き込んで蓋をします)
これにて今年の作業が完成です。
これから、ホワイトリカーは、夏を過ぎ秋を越えて今年の師走、「冬至」の日まで熟成の時間を過ごします。
そして、冬至になったら封を切り今年の出来栄えを確かめるのです。
また、日本酒は、冬至ではなく、更に次のお正月を経て節分を過ぎ「立春」の日に封を切るのを恒例としております。
封を切る頃には、今は透明のお酒が、美しい琥珀色に変わっているのであります。
さて、日本酒は、翌年の立春の封切りから飲み始めますが、ホワイトリカーは、封切りをした後、また蓋を閉め、更に3年の間寝かせるのが我が家流であります。
そうすることで、更に熟成が進み、より芳醇な味わいへと育っていくのです。
ということで、
今年、2009年に頂くのは
(このビンテージ)
2006年の今の季節、同じように梅の実を洗い、一粒づつ拭き取り、そして穴をあけた実が醸し出した芳醇の味。
その味わいは
(この琥珀色が約束してくれます)
「2006年」と書かれた蓋を開けると、瓶から立ち昇る甘い香りに部屋中が満たされました。
この香りに鼻の奥をくすぐられながら、こうして、四季と向き合える贅沢を享受できる我が田舎暮らしの幸せを実感する僕でありました。
夏を間近にひかえたとある田舎の休日のひとコマでした。