雨の多かった今年のゴールデンウィーク。

おかげで、家の中で過ごす時間が長くなりました。


ところで、今年のゴールデンウィークを利用してやりたかった事のひとつが「書庫の整理」。

次々と増える本によって、当の昔に本棚はそのキャパシティーを越え、今では床一面にうず高く「本の山脈」が連なるという状態。

その山脈は、いつ「崩落事故」が起きても不思議ではない危険地帯であり、小さな子供では、「下敷き生き埋め事故」がおきかねないという危険地帯。

まじめな話として、これまで我が息子には、「立ち入り禁止」を厳命しておりました。

その「危険地帯」に踏み入り、まずは、本の山を取り崩すところから作業は始まったのです。いうなれば、土木作業。

そうして始まった作業ですが、うず高く積み上がった本の山を掘り返して(!)いきますと底の方からは、昔買った本が次々と姿を現し「あれ?この本、どんな内容だったっけ?」と何度と無く中断。

いつしか面倒な「整地作業」は楽しい「発掘作業」に変わっていたのでありました。




そうして、発掘されたのが、この一冊。

奥書きを見ると「平成10年(1999年)印刷」となっておりますので、おそらく10年ほど前に手に入れたのだと思われます。



著者は、元島津製作所の専務取締役をお勤めになられた方。

こちらの会社は、かのノーベル賞受賞者・田中耕一さんを輩出した会社として一躍有名となりました。

著者ご自身も「分析化学」をご専門とする「サラリーマン研究者」のお1人。

この著者が、「飲み屋で上司の悪口を肴に一杯やるのも悪くは無いが、時にはちょっと科学をネタに酒を酌み交わすというのもこれまた一興」とお書きになったのがこの本。




お住まいが京都という土地柄もあって



・あの巨大な五重塔は、何故地震で倒壊しないか?


・本能寺の変を分析科学してみたら


あるいは、


・色町である「先斗町」と明治維新の最先端科学の殿堂「舎密局(「せいみきょく」と読みます)」との意外な関係




などなど、酒の肴にぴったりの「うんちく話し」が、わかりやすい語り口で書かれております。

本を読み進めながら、タイトルは「酒の肴」となっておりますが、本当はアルコール厳禁の中学・高校生に皆さんにコーラでも飲みながら、読んでいただき、科学への好奇心と興味を湧かせて欲しいと思う僕でありました。

「青少年の科学離れ」と「活字離れ」が言われて久しいですが、こうした本に接しながら、どうか科学の素晴らしさ・楽しさをあらためて知って欲しいと願います。


えっ?肝心の「土木作業のほうはどうした」ですって?



はい。

何しろ、自他共に認める「飲兵衛親父」の僕に酒の肴が手に入ったのですから。

結末は、推して知るべし。。。。。。


「二期工事」は、来年のゴールデンウィークの予定です。(←ほんとかな?)






酒の肴にサイエンス/岡 正太郎


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