雨は上がったものの少し厚い雲は、まだ広がったまま。



夜になっても星の瞬きは遮られて暗い闇が天を覆う。



闇の静けさに誘われて独り海まで散歩に出る。



堤防に腰を下ろして、ひんやりとした潮の香りを胸に吸い込む。



ぼんやりと海に浮かんだ空港の明かりを眺めながらしばし佇む。



とうとう、寒さに負けて家路を辿る。








友情の器には、温めたダーク・ラム



服にまとって付いて来た潮の香りが、立ち上るラムの湯気と交錯した。