今年は、秋らしい秋となったと感じている中、先週は、週末になってさらに一段と冷え込む気候となりました。
どんよりと曇って、陽射しがない分さらに肌寒さを実感するこちら伊勢湾岸でありました。
さて、この寒さも決して悪いことばかりではなく、寒い季節には、「寒い季節ならではの楽しみ」もあるものです。
そんな楽しみのひとつが「鍋料理」。
これから、季節が深まるにつれて、冬のお魚がおいしくなる中で、暖かい鍋が恋しくなる日が多くなることでしょう。
その鍋料理に欠かせないものがあります。
その欠かせないものを仕込むのが、我が家の秋の年中行事となっております。
そう、ポン酢の仕込み。
今年も庭の柚子が程よく色づいてきたのを見て、この週末、仕込むことにしたのであります。
作業しながら「目測一本勝負」は僕の腕がついていきません。
ということで、エプ子さんにはお休みいただいて、もう一人の相棒オリ江ちゃんにてご報告であります。
(庭の柚子が色づいてきました)
今年は、昨年の大豊作から一転、「裏年」となったことから、柚子の実りが少ない年に当たります。
その少ない中から20粒ほど摘みとりました。
(洗ったら、ざるに受けて水切りです)
いよいよ、取り掛かります。
鍋の中に日本酒を注いで、その中に鰹節と昆布を入れて火にかけます。
しっかり「だし」を取りたいので、鰹節は「荒ぶし」を使うのが僕隆です。
(日本酒と昆布と鰹節をいれて)
日本酒が沸騰したら、火をつけてアルコールをしっかり飛ばしてやります。
(炎が消えるまで、しっかりアルコールを飛ばして)
しばらくすると、台所中にかつおと昆布の良い香りが広がります。
アルコールが飛んだのを見計らい、お醤油とみりんで味を調えていきます。
(おしょうゆとみりんを足して)
程よくなったところで5分ほど煮立たせてから、火を止めます。
あとは、冷めるのを待ちます。
一休みして、冷めたのを確認したら、いよいよ柚子を絞る作業に取り掛かります。
柚子を半分に切って、ボールに果汁を絞ってやります。
柚子にナイフを入れると、それだけで、柚子独特の甘酸っぱい香りが鼻をくすぐります。
この香りをかぐと、「ああ、秋が来たんだな」と改めて実感するのであります。
(すべて絞り終えました)
これを麦茶冷やしに移して、そこに先ほどのだし汁を注ぎ込んで程よくかき混ぜます。
(ポン酢2008年ビンテージの完成です)
柚子の実は、長時間漬け込むと苦味と渋みが出てしまいますので、一週間ほどで取り出しますが、このポン酢は、来年までしっかり保存することが出来ます。
これから、冬の間、この名脇役によって、我が家の食卓で繰り広げられる「湯気のドラマ」がより一層引き立つことでしょう。
寒い冬を少しでも楽しくそして暖かく過ごしたいと思う僕なのであります。
海沿いの田舎での秋の風物詩のひとコマでした。