10日ほど前、僕の元にやって来た、新しい相棒「エプ子」さん。

なかなか、連れ出すことが出来ずにおりました。


その理由とは



写そうにもレンズが無い



高級カメラ、レンズ無ければただの箱」を地で行く毎日でありました。



「なんと間抜けな!」と言う声が聞こえてきそうですが、どうやら、この「レンジ・ファインダーカメラ」の世界においては、カメラよりも、実は「レンズこそが主役」というのが、まかり通っている世界のようでありまして。

「レンズを選ぶ」というのは、結構な悩みと迷いをともなう作業なのであります。


この悩みや迷いをこの世界では「沼」といいます。

今日は、この十日間にわたる「相棒の為の相棒探し」にまつわる僕の「沼めぐりの旅」と、たどり着いた先の「顛末」のご報告であります。






さて、我が相棒「エプ子さん」を手にする前に、事前の予習に取り掛かった僕。

まず、手に入れたのは


(この一冊)



エプ子さんの解説本です。

この一冊により


エプ子さんの基本構造である「レンジファインダー方式」というのを理解し


レンズの規格である「マウント」という用語を学び


そのマウントにおいて「Lマウント」と「Mマウント」というのがエプ子さんに合致するのだと言う事を確認し


と、まあ、少しでもお写真の知識がおありの方からすれば、「なんと大それたことを」と言われてしまうくらいの「ど」がつく素人による、まさに「白紙状態」の頭にエプ子さんに関する知識を詰め込む作業をしていったのであります。



こうして「基本の「き」くらいは理解したかな」という自信が持てましたので、まず第一弾としてエプ子さんにお越しいただいたのであります。






さて、ここからが本日の本題です。



エプ子さんにお越しいただいたものの何しろ「レンズが無ければ始まらない」わけでして、これぞまさに「相棒の相棒」です。

実は、ありがたきご縁により、由緒正しきレンズを11月にお譲りいただけるという本当に恵まれた我が境遇でございます。

この恵まれた境遇に心より感謝し「その日」を楽しみにいたしているのですが、それまでに我が相棒とも少しでも仲良くなっていたいですから、、僕は僕なりにレンズを探しに「沼」の周囲を歩く事にしたのであります。


「沼」を歩くに当たって、まず、由緒正しき「焦点距離50mm」という規格をお譲りいただけるとご案内いただいております。

ですので、まず、僕の選択肢としては


「50mm以外の焦点距離から」


ということにいたしました。


もちろん、「先立つもの」にも限度がございますので、そこのところも大切な基準となります。

西の巨匠様 が、自身のブログにおいて、親身にご心配のお言葉をおかけくださいましたので、様々に逡巡していることをコメントさせていただきました。

西の巨匠様よりのアドバイスとして、


「ここは、50mmより画角が広い(50mmよりも短い焦点距離)を念頭にするのが良いのでは」


とのアドバイスをいただきました。

ありがたいアドバイスと受け止め「50mmより広角で」を基準とすることにいたしました。



さて、こうして始まった「沼徘徊」ですが、思った以上に「名古屋には沼の数が少ない」ことが解ってきました。

ほんと、かなりニッチな世界と見えて、まず、(中古も含め)レンジ・ファインダーレンズを取り扱っている店が3店ほどしかないということに驚きました。

そのうち、まともに品揃えをしているのは、2店舗のみでした。

その2店に、仕事で名古屋市内に出向いた時は勿論、それ以外でもオフィスで仕事を終えてから名古屋に向かうなどして、連日お店を行ったり来たりしておりました。

そして、3日ほど前に、値段が手ごろな「25mm」の中古レンズを見つけることが出来たのです。



昨夜、受け取り、早速取り付けてみる事にいたしました



(ようやくエプ子さんを箱から取り出して)




(相棒とご対面です)




バッテリー(もうとっくにフルチャージ済み)をセットしたら



(晴れてレンズ装着完了)



やっと、ここまでたどり着きました。



いやあ、嬉しかったです!!



嬉々としてファインダーをのぞく僕。



「おお~っ!これが二重像なのね!!」



ピントリングを回します。

ファインダーの中の二つの画像がきれいに重なったらピントが合った合図です。



ところが。。。。。。。



どれだけやっても画像が重なってくれません。



まさか、新品のはずのエプ子さんは、すでに故障していたのか!!




はい。

思いっきり凹みました。

さっきまでの高揚感は何処へやら、もう、頭の中はブルー一色でございました。



しばし呆然としたのち、「リコールするしかないな」とエプ子さんを箱に収め、リコールの手続きを確認する為、P/Cの前に移動しました。

いろいろ確認してのち、ネット上で、つい「沼徘徊」を始めた僕は、そこにひとつの情報を見つけたのであります。



なんですとっ!!



そこに書かれていた内容は、まさに、今回の出来事の「答え」だったのであります。



僕が今回、手に入れた「レンズの名前」



コシナ製 フォクトレンダー スナップ・ショットスコパー 25mm F4


といいます。


そのレンズに関して書かれた記述には、こう記されておりました。




距離計のないフォクトレンダー ベッサL用に開発され



距離計に連動しない




「レンジファインダー・カメラ」


 日本語に訳すと


「距離計連動式カメラ」



のっけから、やらかしてしまいした。


「距離計連動式カメラ」の最初の相棒に距離計に連動しないレンズを選ぶ」という、なんともお粗末なお話。

いやはや、「脱力感」で暫くP/Cの前で放心状態の僕でありました。



まさか、沼の中にはこんな「ぬかるみ」があったとは!!

まったく、「ど」がつく素人が、何かやろうとするとこんなモンなんですねぇ。



さて、まさに「やらかしてしまった」僕でありますが、一夜明けて、こう考えてみる事にしました。





このレンズが、僕の手元に来たのも何かのご縁だということ。


とりもなおさず、エプ子さんは壊れていない事が解ったこと


距離計には連動しませんが、エプ子さんとは、ちゃんとコンビが組めること。




そして、もうひとつ、「ど」がつく素人の僕にとって



目視を使う事は、被写体との「距離感をつかむため」の格好のトレーニング・ツールではないかということ



を思い至ったのであります。

もちろん、レンズさえあれば、エプ子さんの操作を身に付ける事が出来ます。

ということで、たしかにファインダー内で「二重像を重ねる」ということは叶いませんが、「これはこれで面白いのではないか」と思うのであります。



幸いにも、ありがたいお心遣いにより、一ヶ月後には、50mmの「ちゃんと距離計に連動した」レンズをいただける恵まれた境遇の僕です。

50mmを大切に使うためにも、このレンズとしっかり腕を磨きたいと思う今朝の僕なのであります。


今日から、僕の相棒として、早速お付き合いしてもらおうとウズウズしている僕であります。




以上、「ど」がつく素人による「ぬかるみに足を取られて泥まみれ」というの顛末記でした。