先日、我が手元に届けられた「黒い箱」。
すでに、「その正体」をご存知の皆様より温かい激励やご心配(!)のコメントを頂戴しております。
あらためて、この「黒い箱の正体」にまつわるお話しをご報告させていただきたいと思います。
話しは、ずーっと遡って2006年の師走。
僕の手元にひょんな事から一台のカメラが届きました(その顛末は、こちら で)
いわゆる、「コンデジ」と呼ばれるカメラでしたが、僕にとって、それまで「写真」という世界はまったく異次元の世界であり、素晴らしい作品を拝見したり鑑賞したりすることはあっても「自らシャッター切る」などということは思いもしなかったのであります。
何しろ、相棒と共に最初に始めたのが「絞りとシャッター・スピードの勉強」ですから、ちょっとお写真にお詳しい方なら呆れられそうな、まさに「ど」がつく素人」です。が、我が相棒オリ江ちゃんの「機能」に助けられてつつ、今では「写真を撮ることの楽しさ」にすっかり嵌ってしまったのであります。
そして、2008年・夏、我が相棒と共に「絵になる街・PARIS」で開講された写真教室に入学を許され、超一流の特別講師様により、とても贅沢な授業を受ける栄誉に浴したのであります。
「もう、楽しくてしょうがない」
そんな夢のような3泊4日の旅。
その様子は、社長仏蘭西漫遊記として、すでにお伝えしたとおりですが、実は、漫遊記には書かなかった「ひとつの出来事」があったのであります。
3泊4日の旅を終え、写真教室特別講師様 の運転でシャルルドゴール空港に向かう車内でのこと。
我が相棒が手元に来て以来、写真を撮る楽しさを知ったことが、いかに僕の中で充実の日々をもたらしてくれたかなどという話をしておりました。
そんな僕の話しに頷きつつ、特別講師様が、ひとこと仰ったのです。
「本当は、自分の目で撮って欲しいんですよね。」
「自分の目で」
この言葉が、日本へ帰る飛行機の中で僕の脳裏に延々とこだましておりました。
写真教室特別講師ことMICROPARIS様 。
そのMICROPARIS様がParisの情景を切り取る時の「相棒」がいます。
相棒の名は、LAICA M8。
このカメラが、「一眼レフとは違うもの」だという事は知っておりました。
レンジ・ファインダー式カメラ
一般のカメラの構造である「レンズが捉えた構図をファインダーから覗く」のではなく、あくまで「自分の目で構図を捉える」
ファインダーから覗く景色は、その先に広がっている「ただの風景」。
その風景の中から、自らの目で構図を決め、ピントを合わせ、シャッターを押す。
「絞り」と「ピント」と「シャッタースピード」
自らの目で決めた構図をこの3つの要素に託してシャッター切る。
「ズーム」なんて便利なものはありもしない。
そこにあるのは、自分の感性。
その感性こそ「写心」の原点。
その感性を無限に広げてくれるのが、世の中に無数にあるレンズたち。
そのレンズたちの中には、僕の生まれる遥か以前に製造されたも珍しくないという奥深い世界。
それぞれのレンズの持つ「個性」と僕の「感性」とのコラボレーション。
この融合の美を引き出して、その魅力を感じてみたい。
日本に帰って、我が相棒オリ江ちゃんの画像を整理しつつ、その思いが日増しに強くなっていった僕でありました。
そして、この一ヵ月半の間、それを実現する為の「新しい相棒」を迎えるべく、僕なりに予習を続けてきたのでありました。(予習に際して、西の巨匠様 の記事に大変お世話になりました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。)
そして、満を持して手に入れた「黒い箱の正体」
ディジタル・レンジファインダーカメラ EPSON RD-1s
僕のあらたな相棒、「エプ子さん」の誕生です。
Parisからの帰り道、いただいたのは「感性」いう大きなお土産でした。