延々引っ張るこのシリーズに「始業式は今度の月曜日だけど?」との声がかかり、大いに焦りを感じ、いよいよ、本当に「徹夜で仕上げる夏休みの宿題」の様相を呈してきた漫遊記でございます。
あらためまして、ここまでお付き合いくださいました皆様に感謝申し上げます。
あともう少しお付き合いのほどをお願いいたします。
フランス時間 8月13日。
この旅もついに最終日を迎えてしまいました。
昨夜、光に満ちた素晴らしいひと時過ごし、ホテルに戻ってシャワー浴び、わが社長がベッドに入ったのは午前零時を回っておりました。
社長に続き「味わい母」もすぐに眠りに落ちたのを見届けつつ、僕は、荷物のパッキングを行って、明日の出立に備えたのでした。
そのひと仕事を終え、僕も午前2時にはベッドに潜り込みました。
翌朝、大魔神ツーリスト・ビューローのスタッフご夫妻様との待ち合わせは、「大魔神ツーリストビューローParisオフィス(「宮田ご夫妻様のご自宅」とも言う)」があるアパルトマンの裏手にあるセーヌ川沿いのカフェにいたしました。
ホテルを出て、オフィスの建物の前を通ると
(足場の解体工事が始まってました)
そのみ様により数ヶ月にわたって「定点観測」が続けられてきた外壁の工事がようやく完了したようです。
かねて、「漫遊記一行が上陸した時、足場が残っているか?」とその動向が大きな注目の的となっていたのですが、めでたく「帰るときには撤収作業」という結末を迎えたのです。
「何はともあれ、よかった・よかった」と思ったのですが、ふと目をやると
(道向いに新たな資材を搬入中)
どうやら、今度は教会が工事に入るようで。。。。。。
一足先に待ち合わせのカフェに到着です。
(セーヌ川沿いのカフェに腰を落ち着けて)
我が社長は、もちろんクロワッサン。セットでオレンジ・ジュースです。
味わい母は、コーヒーとバケット、僕は、ダージリンティとクロワッサンをオーダーです。
10分ほどして、宮田様&そのみ様も合流です。
さっさと自分のクロワッサンとオレンジジュースを平らげた社長、「おかわりが欲しい」とのこと。
元来、朝食を摂らない習慣の僕ですので、ティーポットになみなみとある紅茶だけで充分。
社長にクロワッサンを譲ることにしました。
飲み物は、宮田様が、「おっし、これも経験だなっ!」とカフェクレームを分けてくださいました。
社長にとっては、生まれて初めてのコーヒーです。さすがにそのままでは、苦がかろうということで、シュガーを足しつつトライです。
「苦い」と言ってはシュガーを足し、「まだ苦い」とさらにシュガー。
ついには、4本も入れてしまいました。
まだ苦いと言う社長に「なんぼなんでも、さすがにそれは変やろ」思っていると、いきなり顔をしかめて「甘っ!!」
ちゃんとかき混ぜなくて、底に沈殿してただけでした。
そら、最後は甘いやろ。。。。。
さて、僕の「フランスで乳製品食べる」という約束も、二日目に「クロワッサン&キャフェ・クレーム」、三日目のReimsでは、「グラタン」とここまで充分果たしました。
クロワッサンを社長に勧めつつ「いやあ、僕もフランスでは、しっかり乳製品食べましたよ~」と申したところ
ぜんぜん食べてませんからっ!!
社長を含め、一斉に「ダメだし」くらってしまいました。
しかも声がハモってた。。。。
自分では、今回のがんばりに「花まる」もらえると思ってたのにぃ~~っ!!
「Paris最後の撃沈」は、
セーヌ川に響く「ダメだしコーラス」でした
朝食を終えて、カフェ脇の小路へ。
ここでも、「フランスならでは」の実地体験です。
(こいつもやっておきましょう)
コインを入れて入る「有料公衆トイレ」
「公共トイレに入るにはお金が必要」だということも日本ではまず経験できないこと。
使用料を受付で支払うスタイルは、昨日、TGVに乗る前に、東駅の構内で経験してきました。
今度は、自動トイレも経験しましょう。
扉が自動で開きます。
(扉が開いたら中へ)
人が入ると、自動的に扉が閉まります。
いけねっ!
中から扉を開ける方法、教えとくの忘れたっ!!
「お~い!」と呼びかけると「なにぃ~?」と返事する声。
どうやら、「完全密封」ではないことが確認できて、やれやれ一安心した実行委員長でございました。
トイレも済まして、体制も整いました。
これより、二手に分かれてParis市内を遠足気分であちこち巡るツアーの始まりです。
まずは、そのみ様のガイドによる「Parisメトロ体験ツアー」
参加メンバーは、「味わい母子」の二人。
自ら切符を自分で買って、「自動」ではないメトロのドアを自分で開けて乗り込んで。。。。
これもまた、「Parisならでは」の体験です。
社長には、ユーロ・コインを実行委員長より渡してあります。
そして、僕は
(一度、やってみたかったんですよ~っ!!)
Parisの公共レンタル自転車サービス「ベリブ(velibe’)」
フランス語の「Velo(自転車)」と 「Liberte(自由)」とを合わせた言葉で名付けられ、2007年より始まったこのシステム、現在では、Paris市内300mおきに駐輪スペースが設置され、公表されている資料によれば、2万台以上の自転車が配備されているのだそうです。
Parisの石畳を自転車でポタリング
この言葉の響きだけでもそそられるでは、ございませんか!!
しかも、今回、僕には敏腕ツアコン様が付いております。
しかもこの敏腕ツアコン様、またの名を「ベリブの達人」。
もう、わくわくです!!
(達人様より画面操作のレクチャーを受けながらエントリー)
(じゃん・じゃ・じゃ~ん!!)
Parisの街角で自転車にはしゃぐ45歳。。。。。
今思うと、ちとかっこ悪いかも。。。。。
さて、さっさとまたがり、敏腕ツアコン様のエントリーを待ちながら、早く出発したくてウズウズし、大通りのほうにハンドルを向けスタンバイしていると背中のほうから
あれぇ?
おかしいなぁ????
という敏腕ツアコン様の困ったような声が聞こえてきました。
振り返った僕の眼に飛び込んできたのは
(この後姿)
の・乗るおつもりですかっ!?
僕と敏腕ツアコン様が、あまりにうれしそうにしているのを見て、「どうやら、面白いことが待っていそう!」と匂いを嗅ぎ取った「味わい母」、でも、直接僕に言ったら、絶対「即座に却下」は目に見えております。羨ましそうに眺めていたのを「メトロ担当ガイド」様が察してくださり、僕がルンルンでサドルにまたがっている間にしっかり周囲を味方につけて、がっちりと「シートを確保」していたのです。
こうなれば、「多勢に無勢」。いまさら僕が口を挟む余地はどこにもございませんでした。
さて、そんなことで、ベリブのエントリー操作をしていたのですが、どうにもうまく作動してくれない。
少し解説しますと、このベリブの「エントリー・システム」は、街中のエントリー装置と中央にあるコンピュータがディジタル回線によって接続され、この装置にクレジットカードを読み取らせることで、個人情報が記録され、利用料金の清算や、保証金の清算がなされる仕組みとなっています。つまり、このインフラは、高度なディジタル・テクノロジーによって成り立っているのであります。
そして、このエントリー装置もその実体は「精密なディジタル電子機器」に他ならないのです。
話しを「味わい母」に戻します。
敏腕ツアコン様に教えていただきながら、自分のクレジット・カードを機器に挿入し操作するも画面から帰ってくるメッセージは何度やっても「通信エラー」
再々にトライするもエラーの連続に、この装置が故障していると判断して、少し歩いて(なにしろ300m以内に設置されています)別の装置でトライです。
「今度は大丈夫だろう」周囲は、そう思ってたはずです。
但し、僕を除いては。。。。
やっぱりダメだ~っ!!
こんなことまずありえないよっ!!
敏腕ツアコン様の声がParisの街に響きます。
試しに敏腕ツアコン様が、ご自分のエントリーを操作されるとあっさりと一発オーケー!
やっぱり。。。。
僕には、大いに納得の光景なのでありました。
これまでも、この方が電子機器に触れると幾度となく事件が発生しております。
この「味わい母」によって、
家中の電子機器がどれだけクラッシュしたことか。
その被害金額は、気が遠くなるほどでございます。
その脅威パワーは、屋外での使用に耐えうる堅牢な造りのエントリー装置をも故障させ、そして、何より、敏腕ツアコン様の
「神通力」を持ってしても
敵わないことが証明された
味わい母恐るべし。。。。。
はい。そんなことで、
ここでもしっかり実行委員長のクレジットカードでサドルにまたがった味わい母でございました。
すでに自転車を取り出すだけでこのスチャラカぶり。
「先々大丈夫だろうか?」と一抹の不安を感じつつ、いよいよ出発です(人呼んで「カルガモ親子」)
先頭は、ガイド役の敏腕ツアコン様、真ん中に味わい母を挟んで「しんがり」を僕が務めます。
日本と違い、フランスでは自転車はれっきとした「車」。
ですので、当然走るのは「車道」です。
このベリブ、見た目はシンプルですが、ちゃんと「3段変速」が備わっております。
車道でも、そのスピードは、車の往来にも充分対応が出来るのであります。
(3段変速付きの高性能)
走り始めたカルガモ親子一行、先頭の親カルガモに続く真ん中の子カルガモが徐々に離されていきます。
でも、その足は、必死でペダルを漕いで回転しております。
やっぱり「不安的中」です。
どうやら、
1段で全力疾走している。。。。
「3段に落としなさい!!」と僕が叫ぶも一向に足の回転が収まらない。
どうやら、
変速機の使い方が解らない
らしい。
親カルガモ様から、どんどん引き離され、ついには僕にも追い越され、しまいには
路線バスに
思いっきりうしろから煽られた。
必死の形相で漕ぎ続ける味わい母。赤信号の交差点で、止まった僕たちに追いついたところで、すでに3段の僕のベリブとチェンジ。
味わい母の自転車に僕がまたがりました。
やっぱり、「1段のまま」です。
苦笑しつつ、ギアを3段に落とす僕。
が、しかし
ギアが、3段に落ちん。。。。。
これから、Parisでベリブのご利用を予定されている皆様。
ベリブは、故障した自転車が多くあります。くれぐれもご注意ください。
これより以降、チュイルリー公園でベリブを返すまで、1段ギアで必死で漕いでParisを駆け抜けた僕でありました。
そんなわけで、オリ江ちゃんの出番も少なめ。
ポイントだけ、ご紹介です。
ベリブチームの散策コースです。
(オペラ座)
(ヴァンドーム広場)
そして、ベリブでゴールは
(チュイルリー公園)
ルーブルの中庭からカルーゼル凱旋門をくぐるとこの公園に続いています。
そして、この公園からは、エッフェル塔やノートルダムの尖塔、サクレクール寺院などParisの名所が一望できます。
そして、綿密な都市計画に基づいて設計され、築き上げられたParisは、この公園において、
カルーゼル凱旋門→大凱旋門→新凱旋門が、一直線の延長線上に並ぶように計算され、それぞれが、その場所に立てられている
のです。
Paris滞在で、もっとも感動したことは、Parisという街の都市設計の素晴らしさでした。
そのことをこの目で学ぶことが出来ただけでも今回の旅は大成功だったと実感する僕なのであります。
この都市設計の素晴らしさを実感し、秋を感じさせる風を頬に受けながら公園を散策しながら横切ります。
その先に建てられた建物を目指して。
その建物は、それまで、世界中から多くの人々が集まる場所だったのですが、1999年から改装工事に入るために一旦閉鎖。以降、なんと7年もの長きにわたってその扉を閉ざしたままだったのです。
そして、2006年5月、リニューアルしたその場所は、世界に向けて再びその扉を開いたのです。
オランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)
日本人も多くのファンを持つフランス絵画コレクションの殿堂。
僕自身が、この扉が開くのを「今か今か」と待ち続けた人々の一人でありました。
この旅に先立ち、大魔神ツーリストビューロー様に「出来ることならこの場所を訪れたい」とリクエストさせていただいた、憧れの場所。
マティス
モリディアーニ
マリー・ローランサン
ゴーギャン
ルノワール
シスレー
そして
ピカソ
館内に掲げられた絵画は、どれもすごい迫力で僕の目の前に迫ってきます。
僕の心は、その力に圧倒され、気分が高揚し、つい話し声が大きくなり、係員の方に「Be quiet!」とたしなめらてしまう興奮ぶりでございました。
素晴らしい「至福の時間」の締めくくりは、この場所を訪れた最大の目的である「この絵」を見ることでした。
(モネ作「睡蓮」)
複数絵画の連作によって「ひとつの作品」として成立させたこの絵画、そのなかで最大の絵は「縦2m X 横幅10m」にも及ぶ巨大なものです。
日本にて画集を眺めていたのでは、到底この迫力を理解することは出来ないでしょう。
いや、それどころか、この絵画が連作であることや実物がこれほどの大きさであることを知らない「自称モネ好き」な方もたくさんいると思っています。
今回、「再開後間もない」この場所は、長い間待ち続けた多くのファンで長蛇の列に違いないと思い、出来る限りロスタイムをなくそうとあきらめたのですが、頼もしき我らが大魔神ツーリストビューロー様は、ちゃんとコーディネートしてくださいました。
いかに大魔神ツーリストビューローのアテンダントがパーフェクトであったかを示す出来事の一つでございます。
図らずも素晴らしい芸術を堪能した「味わい母」も大満足。
美術館を出て、ランチの待ち合わせ場所まで歩いて移動です。
最後は
自分の足で石畳の感触を確かめ
自分の目の高さで街並みを眺めそして、
胸に街の空気を吸い込み、
通りの雑踏のざわめきを耳で聴く
その光景・音そして匂いまでもが残り数時間となった今、とても愛おしく、この街を離れたくない衝動を抑えることに必死の僕でありました。
「メトロチーム」との待ち合わせ場所に間もなく到着です。
(待ち合わせ場所の前にはマドレーヌ寺院)
(最後のランチは、この高級店で)
Prisでケーキ屋さんに行く
将来パティシエになりたいと願う、我が社長の最後のそして「最大のリクエスト」でした。
「バカンスシーズンまっ最中」のParis。
どのお店もシャッターを降ろしている状況のなかで、社長の願いをかなえるために、本当に一生懸命お店をセレクトしてくださったご夫妻様でございました。
ご夫妻様の惜しみない愛情を受けることが出来る我が息子そして我々家族は本当に幸せ者でございます。
あらためて、心より感謝し深くお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
一足先に到着していた我が社長、僕たちが着くまでの間、しっかりお店見学と将来のためにディスプレーを写真に収めていたそうです。
その写真も後ほど3泊4日写真教室にてご紹介いたします。
ランチ食べながら、それぞれのチームの行動を報告。
そのみ様のお話を伺いながら、この旅で、初めて親とはなれて別行動だった息子が思いのほか逞しい一面を見せてくれたことを父親として素直に喜びたい僕であります。
食事を終えて、僕と敏腕ツアコン様は、再びベリブにまたがり、ホテルへ。
味わい母とそのみ様は、メトロでショッピングへと向かいます。
今度は、男二人、しかも整備万全の2台です。
Parisの街中をビュンビュン飛ばして進みます。
まさに「頬で風を切りながら、颯爽と駆け抜けるパリジャン」気分で、最高に気分が良かったひと時でありました。
いやあ、気分爽快!
最高に気持ちよかったです!!
ホテルをチェックアウトして、車にスーツケースを納め、メトロチームの待つお店へ
(お買い物は百貨店で)
ル・ボン・マルシェ(Le Bon Marché)
世界最古の百貨店です。
この建物は、かのエッフェルに設計させたのだそうです。
Parisは、どこへ言ってもちゃんと「歴史物語」がそこにあります。
先に到着していた味わい母子は、日本お友達に渡すお土産をしっかりカートに入れておりました。
僕もこの日のために日本から持ち込んだ保冷バックに満載になるようがっつりとお買い物。
そして、この店に来た最大の目的である「紅白のハート」を無事ゲットです。
このあたりの戦利品は、後ほど「お土産編」として一挙まとめてご紹介いたします。
無事、買い物を済ませました。
駐車場に戻り、買った品々を納めて、スーツケースに鍵をかけました。
カチャッ
この小さな音が合図です。
これにより、3泊4日の漫遊記もついに終了です。
たった4日。
されど、世界で一番充実し、そして人様の暖かい愛情に包まれた4日間でした。
幸せと笑顔に満ち溢れた「世界一の4日間」
さあ、最後の別れを告げる時がきました。
「さらば、Paris!そしてありがとう!!」編へつづく