2008年8月10日午前10時15分。

この日も伊勢湾を吹く風は、気温35度を超えることを確信させる熱風を運んおりました。

その海風を感じつつ、僕たち家族は海に伸びた滑走路を飛び立ったのであります。






エールフランス295便。名古屋-Parisを12時間で結ぶ直行便です。

定刻どおりに離陸した機体は、天候にも恵まれ、ほとんど揺れる事もなく、機内食と睡眠を交互に繰り返しつつ、とても快適な12時間の空の旅を楽しみました。





そして、ついに7時間の「マイナス時差」と日付変更線を超え、同じく10日午後3時35分。ついにParisは、シャルル・ド・ゴール空港に着陸したのであります。


機体の扉が開き、タラップを降り、地面に降り立つと、少し厚い雲に覆われた空と滑走路から吹く風は、心地よい「涼風」が僕たちの頬を撫でていきました。



息子にとっては、飛行機に搭乗するのは、昨年に北海道・旭山動物園に行くために名古屋-札幌間ですでに経験積みですが、今回初めて「パスポート・コントロール」を経験することとなりました。

息子にパスポートを手渡し、入国管理官の前へ進み、パスポートを手渡して、入国スタンプを押してもらい通過。

いやいや、どうして、なかなか堂に入ったものでございました。

いつもお母さんにべったりの典型的な「一人っ子の甘えん坊」が、人種の違う、言葉の通じない大人に向かって、しっかりと相手の目を見つめながら対峙している姿に親バカかもしれませんが「頼もしさ」を感じ、本当に嬉しい気持ちになったのであります。


息子につづき、家内も無事入国審査を通過し、僕たちは、機内に預けたスーツケースをピックアップするため、荷物受け取り場へのエスカレーターを降りていきました。

この受け取り場を出れば、晴れてフランスへの第一歩です。

仕切られたガラスの向こうは、憧れの地です。

そんな、思いを胸にスーツケースを乗せるワゴンを探して辺りを見回していた僕の目に飛び込んできたもの。

それは、懐かしい笑顔でした。

僕は、思わずその笑顔に向けて駆け出していたのでした。








「その名は、大魔神ツーリスト・ビューロー」編へとつづく