1998年10月29日。
摩天楼を仰ぎ見るニューヨークの一角で、一冊の古い本を巡っての競い合いが繰り広げられたところからこの物語が始まります。
その本には、すぐに80万ドルに達し、瞬く間に100万ドルを超え、ついには、200万ドルの値段で落札されたのでした。
ターゲットとなったその本は、「紙」ではなく「羊の皮」つまり羊皮紙に書かかれていました。
その羊皮紙に書かれている内容そのものは「祈祷書」。
ただ、その「祈祷書」にそれほどの価値があるのでしょうか?
じつは、この本の真の価値は、祈祷書の下に見え隠れする「かつて書かれた」文章にこそあったのです。
アルキメデス。
古代ギリシャの天才数学者。
2000年の時を経て、現代においても誰もがその名前を知っています。
コピーや、活字印刷のなかった時代から、アルキメデスが、著した書物は、時代ごとに手書きで写しとられ「写本」として伝えられてきました。
その写本の一冊「C写本」と呼ばれるものこそ、この祈祷書の「隠れた正体」だったのです。
永らくその行方がようとして知れなかった「C写本」が、まもなく21世紀を迎えようとした現代のニューヨークに再びその姿を現したのです。
しかし、時代の波に揉まれながら現代まで生き延びたその写本は、辿ってきた歴史の長さに比例して痛みも激しく、とてもデリケートな状態なっていたのであります。
しかし、「時代の波」は同時に「技術革新の波」と「知識の進歩の波」も作り出してきました。
「古代ギリシャの天才」に現代の最新ディジタル・テクノロジーと、最新数学理論がタッグを組んで挑戦するプロジェクトがここにスタートしたのでした。
触れただけで跡形もなく崩れ落ちそうなほど脆い羊皮紙を細心の注意をはらって一枚づつ修復しディジタル画像に記録するという「高度な職人芸」。
ディジタル・テクノロジーによって浮かび上がった天才が遺した言葉を読み解き検証するという頭脳vs頭脳の「知的勝負」
現代における「最新のテクノロジー」と「最高の職人技」と「最先端の頭脳」が挑んだ先に見つけたものは、「知られざる大発見」だったのです。
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