この問題、古来より「八百万の神々」を祀る民族の末裔の一人として
「ピンとこない」
というのが正直なところである。
「ピンとこない」以上、うかつにはいえないが、でも、だからこそ著者の主張には、とても共感し同調が出来るのである。
著者は、生物進化論における権威であり「一方の雄」として常に論争の先頭に立ち続けて来た。
2002年に亡くなった著者の遺稿の邦訳がこの本。
著者がこの本で説く「科学と宗教は、重なりあわず独立して存在しているが、そのうえで互いに尊重すべき知的体系という関係にある」という主張は、僕達日本人の中に「ごくありふれた感覚」として誰もが持ち合わせている「暗黙知」なのではないだろうか。
読み終えて後、そんな思いを持った僕なのである。
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