届いたそのメールは
「冗談ではありません」
と結ばれていたそうな。
「冗談じゃないなら、本当なのね」と思ったかどうかは定かではありませんが、何しろ、「かな~り軽い気持ちで始まった」ことは間違いなさそうです。
何はともあれ、そんなこんなで8ヶ月程の準備の時を経て、彼女は、一路オーストラリアに飛び立ちます。
そこで彼女(そう、女性です)を待っていたのは、一隻の船。
船の名は
南極観測船 しらせ
そこに乗り込んだ彼女の職業は新聞記者。
しかも、なんと、彼女が勤めるのは、アスリート達を追いかけるのが専門のスポーツ新聞社だったのであります。
こうして、彼女の4ヶ月間にわたる「南の果ての大陸」での生活が始まったのでした。
南極大陸を目前にオーロラに出会い
氷山と雪原に囲まれながら
時に、ヘリコプターのローターが巻き起こす風に体ごと吹き飛ばされ・・・・・・。
「南極観測50周年」を記念して企画された「観測隊長期同行取材」に応募した著者が、観測隊員たちが取り組む様々な観測活動や行動に参加しながら、「基地ならでは」の日々の暮らしを共にして、その様子を現地からブログや紙面で発表し続けたレポートを「そこでは書き切れなったエピソードや裏話」を加えて著されたのがこの本。
著者曰く、「楽しそうだな~と少しでも身近に感じていただければ何よりです」とのこと。
その思いだけは、間違いなく、こちらに届いてきます。
「本当に楽しんじゃったのねぇ。こばやしさ~んっ!」と羨ましくて、ちょっぴり(いや、かなり)しっと混じりに文章へ突っ込んでみたくなる。
そんな、楽しい一冊です。
- 小林 千穂
- 南極行っちゃいました