「まほろばの国」日本。


古来より、僕たち民族の祖先は、その感性を駆使して独自の文字文化を作り上げていった。


その文化は、仮名文字→万葉仮名→そして大陸から取り入れた「漢字」へとさかのぼっていく。


漢字から始まる独自の文字文化をもつ国。


そう認識している事に何の疑いもなく過ごしていた僕が、大きな驚きと衝撃を受けたのは、20代半ばの頃だったと思う。



ヲシテ文字。



「大和の国」を作る中心となった人々が「漢字文化とともに」大陸から渡来するよりもはるか以前、今日、「縄文」と後に呼ばれる時代にこの土地で国を構え、住み暮らしていた人々が使っていたとされる「類なき独自の文字文化」。

そのような文字文化が、この日本にあったと知った時の衝撃は、今も変わらず鮮明に思い出すことが出来る。




「秀真伝(ホツマツタヱ)」


はるか、古事記・日本書紀が漢字で書かれる以前にあった、オシテ文字による「神話の源」。


その内容を平易に物語として書き表した一冊。

ホツマツタヱが伝える「古代の宇宙観」をより鮮明に伝えるために、著者の工夫と修飾が、読みやすさを助けてくれる。



この物語が伝えるのは、今日まで脈々と受け継がれてきた「日本人の感性」



鳥居 礼
ホツマ物語―神とオロチ