二月を指す「如月(きさらぎ)」という名の由来が、「着て更に着る」という「着更着」からきた言葉だという事を肌で実感するこのところの寒さです。

そんな寒い2月ですが、迎えて3日は、節分でした。


さて、今年も節分の「慣わし」を我が家でも行います。



東京方面は雪だったそうですが、こちらは、冷たい雨が降る一日。

その雨に当たりながら庭先に出て柊を一枝。



(玄関先に柊を掲げます)



本来は、これにプラスして「鰯の頭」を掲げるのですが、昨今、鰯も漁獲高が激減していまや「高級魚」の仲間入りです。

庶民の我が家には、分不相応ということで今年はパスです。



寒さに震えつつ家に入ると、家内と息子から、「お父さん、今年はどっち?」の声。


「今年は、南南東!」



はい。次の「慣わし」に挑みます。



(恵方巻きのまるかぶり)


余談になりますが、いまでは、当たり前に行われるこの風習ですが、僕がこれを知ったのは、関西に暮らし始めてからの事です。

それまで、こと知多地方に限って言えば、ほとんど知られていなかった風習だと思います。

日本全国で行われるようになったのは、比較的新しい風習ではないかと思う僕なのです。

でも、こうして季節折々の行事を楽しむ風習は、いくつあっても良いと思います。

こうして、時代ごとに合った慣わしを加えつつ、古来からの大切な風習が庶民の暮らしの中で脈々と息づいていく事の意味の大きさを僕は大切にしたいと思うのであります。



新しい慣わしの後は、古来からの風習です。



(純国産「遺伝子組み換えなし」だそうです)



風習は古来から続くものですが、でも、そこにも時代がきちんと映し出されているのだなとパッケージを読みながら、ちょっと考えてしまった僕でありました。


「鬼は、外、福はうち」


この掛け声も昔どおり、この後、歳の数だけ頂いて。



こうして「季節が分かれる日」を送った我が家でした。



明けて4日は「立春」。



暦の上では、今日から「春」です。



待ちわびた「春」という文字が、この日から僕達の元にやって来てくれました。

僕は、3年前よりこの日にひとつの行事を行う事に決めました。



季節は、昨年の初夏。

梅雨入りを前に僕が行う恒例作業、「梅酒の仕込み 」。


それまで、「ホワイト・リカー」で仕込んでいた梅酒に加えて、3年前より「日本酒」での仕込みを始めました。

半年ほどの熟成期間を待って、「ホワイト・リカー・バージョン」は、毎年、その年の「冬至」に封を開けて出来栄えを確かめる事を決めております(今年は、記事にしそびれました)

そして、その後、引き続き3年間の眠りにつかせるのです(2007年の梅酒が、再び目を覚ますのは、2010年になります)


そして、日本酒バージョン。

この封を切るのをいつにするべきか?

色々考えた末、「春を迎える日にしよう」と決めたのです。



収めてある棚から、持ち出します。



(2007年の表示ラベル)



半年前、透明だった液体 が、半年の時を経て



(琥珀色に変わりました)



封を開けて、グラスに注ぎます。


注ぎ始めると、たちまち甘酸っぱい梅の香りが部屋一面に広がりました。



(今年も無事仕上がりました)



ひとくち、口に含んでみます。

日本酒ならではの柔らかい舌触りと梅の爽やかな酸味が、絶妙なハーモニーを奏でます。



「うん、出来栄えは上々」



今年も、美味しく楽しめる事が約束されました。


今年も無事に新しい季節の始まりを寿ぐ事が出来た幸せに心から感謝し、改めてグラスを口に運んだ僕なのでした。




海沿いのとある田舎の「暦の春」のひとコマでした。