著者は言う。



変わった言い方をすれば、ここはノスタルジアの首都である。


(本書、25頁より抜粋引用)





常に変わり続け、そして、喪失と創出を繰り返しながら今も尚、その歩みを片時たりとも止めることがない街



ニューヨーク・マンハッタン


変わり続ける街だからこそ宿る、住み暮らす人々の「郷愁」の想い。




移民の子として生まれ、幼き日にブルックリン橋を渡って以来、この島で育ち、仕事をし、そして今も毎日その変化の波を見つめ続けながら暮らす著者が綴った、愛するホームタウンへの賛歌。



この街の歴史、音楽、そして人々の想い。


これらを自身の経験と思い出と絡めながらジャーナリストらしく一見、淡々と綴られるその文章には、著者なりのこの街への溢れんばかりの愛情がそこかしこに滲み出ている。




彼のような「想いのスタイル」を持つ者こそ「本物のニューヨーカー」と呼ぶにふさわしい。そんな気持ちにさせてくれる温かい一冊。


ピート・ハミル, 雨沢 泰
マンハッタンを歩く