人の心。
それぞれが、毎日生きていく中で歩んでいくなかで出来上がる「道」のようなものかも知れません。
時には、その道の先を見つめ、また、ある時には、来た道を振り返り、そして、折々にあちらこちらに彷徨ったりしながら人はこの道を辿っているのではないでしょうか。
著者は、言わずと知れた「こころ」の専門家。
この専門家が、自身の日常に起こった出来事や見聞した経験を題材にして「こころ」という道の途中で、著者ならではの「こころの道しるべ」を記した1冊。
その語り口からは、人の「こころの道」が、真っ直ぐであったり、大きく曲りくねっていたり、上ったり下ったり、はたまた「迷路」や「袋小路」であったりすることを優しい眼差しで見つめていることが伝わってきます。
一節だけ、ご紹介いたします。
*** 本書203頁より抜粋引用 ***
(前略)人間の心というものは、ほんとうに不思議である。科学技術と言っても、結局は人間の心の生みだしたものなのだが、自分の生みだした科学技術の進歩に人間の心がついてゆきかねている、と言う事もできる。(後略)
******************
この「道」は、あちこちに回り道して、いろいろな道を歩いたり、道草したりして行くのがきっと良いような気がするのです。