物語の舞台は少し昔のスペインはバルセロナ。




この下町に一人の少年が住んでいました。

彼の名はピトゥス。

彼は、街の誰からも好かれ、誰もが彼のことが大好きでした。



そんな彼の身に異変が生じます。

何万人に1人という難病。


その病気を治すためには、スウェーデンのえらいお医者さんに見てもらうしかない。


街の人たちは、何とか彼をスウェーデンに行かせるために行動を開始します。

福引券を作ってその売り上げを集めたり、教会でチャリティコンサートを企画して入場料を集めたり。

「なんとかピトゥスのためになる事を」と街の人たちは頑張りました。





夏休みが、もう間もなくというある土曜日、いつものあき地に集まった仲良し5人組。

本当は、ピトゥスを入れて6人組の彼らです。

でも、今、ピトゥスは、病気で家から出られません。


6人組のひとりタネットは、他の4人にこう切り出します。



「相談があるんだ。」



タネットは続けます。



ぼくたちも何かやらないか?

ピトゥスはぼくたちのなかまだもん。



でも、何ができるでしょう?

たくさんの人が集まってくれることって何があるのでしょう。



タネットが口を開きました。



ぼくたちでつくるんだよ、動物園を!




こうして、子供達は、動き始めたのでした。

実行委員となったこの5人を中心に、町中の子供達が自分たちの仲間の力になる為に。



あき地を掃除して


ポスターを作って


動物を捕まえて




仲間を思う子供達による「ひと夏の団結」



思わず、本に向かって「頑張れっ!」と声を掛けたくなる。


そんな心温まる一冊です。



サバスティア スリバス, Sebasti`a Sorribas, 宇野 和美, スギヤマ カナヨ
ピトゥスの動物園