「(前略)東京の生活の大半は、隠れた場所でこまごまと起きているのだが、それが表に出ることは決してない。僕はときどき、意識が遠のくみたいに流されそうになる自分を押しとどめ、まわりを見て、中をのぞきこもうとする。(後略)」(本書182頁より抜粋引用)



極端に巨大化したその都市像は、今や圧倒的なパワーを持ち、この都市と拮抗するには、その他の「日本全土」をもってしても敵わないかも知れない。

そんな議論もあながち的外れではない大都市=東京。

しかし、そこには、人々の「日々の暮らし」があり、その暮らしを支える様々なシステムやその都市に暮らす人が持つ「思考」が存在している。

巨大化した大都市は、無機質な物質の膨張ではなく、まぎれもなく「人の営み」によって複雑に成り立っているのだという事を著者の視線がひとコマずつ切り取っていく。


この大都市に居を構えた外国人から見た「日々の東京」

彼の目に映るものは、日本人が気付かない「日本人の姿」かもしれない。



マイケル プロンコ, Michael Pronko, 矢羽野 薫
僕、トーキョーの味方です―アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由