うす曇のまま日は落ちて、辺りは、すでに闇の中。




枝一面を覆った山桜の白い色は、街灯を受けて不思議な輝き。




その輝きの下から見上げる。




はらはらと舞う花びらが体を包む。




しばし、そこの佇みながら、「儚さ」と「幻想」という言葉を想う。









純米酒を盃に満たす。




肩に乗り、我が家まで付いて来た「春」をひとひらそっと浮かべて。