晦日。冷たさをはらんだ風が、少し強くなってきた。 澄んだ空には、月が半分輝いている。 寒さを辛抱して、月明かりを頼りに柚子の実をひとつ摘み取る。 ついこの間までの濃い緑が今は、黄色く色づいて。 半分にカットしてタンカレー・ロックに絞り込む。 立ち上る酸っぱい香りと一緒に1ヶ月が流れていった。