最後尾の位置からラスト1000mを切ったところで、ぐっと重心が落ちました。

じりじりと前に出て行きながら、まだ、その力を解放していない。そう思った瞬間でした、最終直線に入った途端、最も外側に回り視界を遮る馬がいなくなったその時、ここまで溜めて来たばねを一気に開放したかのようにぐい・ぐいとストライドが伸びていきます。


かつて「チータの走り」と言わしめたその走りが蘇りました。



2006年11月26日。


第26回ジャパンカップ(東京競馬場 芝 距離2400m)。


勝利に輝いたのは、ディープインパクト号。そして、武 豊騎手。



ここに至るまでに、大きな試練と直面してきた彼らにとって、今回の勝利は、溜飲の下がる、本当に胸のすくレースとなったことでしょう。



今は、ただ、「おめでとう」の言葉を贈りたいと思います。



残るは、有馬記念ただ1レース。



楽しみに待ちたいと思う僕なのです。