乾いた秋風が心地よい良く晴れ渡った日曜日。


僕らにとって、また、燃える季節の到来となりました。


思えば、3年前、年々寂しくなる「集落のお祭り」に憂いていた僕達は、




「お祭りを何とか盛り上げていきたい」


「このお祭りを、集落の皆様に心から楽しんでほしい」



という願いを込めて「一念発起」したのでした。(その詳細はこちらで


おかげさまで、この3年の間に「風前の灯」だったお祭りが、「若い衆」の威勢の良い掛け声が響きわたり、集落の皆様がこぞって楽しんでいただけるお祭りに大きくひろがっていきました。

そして、今や、集落の皆様が本当に心待ちにしていただける大切な行事に発展してくれたのです。(その風景は、こちらこちら などで)



そうして、今年も無事に執り行うことができた僕達に、また、新たな季節が巡ってきました。


昨年、僕達のお祭りに対する想いを知り、僕達の集落で生まれ育った先輩が、立派な贈り物をしてくださいました

僕らの「手造り山車」を飾る立派な「幕」。

お祭りに加わってくれた若い衆の希望で、緋色の地に「群雲に龍」の図が刺繍された見事な大作です。

この贈り物は、「集落の宝」として未来永劫、子孫にまで受け継いでいかねばなりません。

お祭りを終えると、畳まれ蔵の中に納めてあるこの宝は、どうしても夏を過ごしてたくさんの湿気を含んでしまいます。

万が一でも「虫食い」で穴が開いては大変です。

ということで、この秋空の乾いた風に当てるための「虫干し」を今年から行うこととなったのです。


そして、この「虫干し作業」が来年のお祭りを取り仕切る「新体制組織」の初仕事となったのです。



まずは、蔵から幕を納めてある「長持」を運び出します。

その中から慎重に取り出して、部屋の中で広げていきます。

生地や刺繍を「日焼け」させては大変ですので、直射日光を当てないように「陰干し」をしなければいけないのだそうです。


(拡げられた大幕)


この他、いくつかの装飾品を干して、一旦風に当てておきます。



「陰干し」をしている間に来年に向けての話し合いの時間に当てることにしました。


まず、集落の集まりで決まった、祭礼執行の「頭(かしら)」となる「祭礼部長」が紹介されました。

紹介を受けた「祭礼部長」より、執行に携わる幹部役の任命がなされました。

僕にも役目をひとつ仰せつかりました。

今年の役目は、「祭礼副部長」つまり祭礼の「頭の補佐役」です。

この「副部長」という役目は、頭である「祭礼部長」を盛り立てて、実際の運行の指揮をとる大変な重責です。

この役目は、僕一人の力では、どうにかなるものではなりません。

全ては、お祭りにかかわる全員の協力にかかっているのであります。

一言挨拶を求められ、「皆さんのお力添えなくして出来るやくめではありません。くれぐれもよろしく」と申し上げたところ暖かい拍手を頂くことが出来ました。

この拍手に百人力の力を得た思いの僕でした。


この後、来年の祭礼に向けて、いくつかの課題を皆んなで協議し、来年のお祭りへの結束を誓いました。


(打ち合わせ風景)




こうして、また、「お祭り馬鹿たち」は、新たな年に向けて歩み始めました。

来年の春、また、集落の隅々まで若い衆の威勢のよい掛け声と祭囃子が響き渡ることでしょう。

いや、「何があろうともきっと、響き渡らせてみせる」




涼しい風に吹かれながらも「馬鹿の魂」には「熱い炎」が燃え盛った秋の1日でした。