先日の横浜出張の折、道を歩いている途中で見つけてふらりと立ち寄った古本屋さんで一冊の本を手に入れました。






時は、遡る事、百余年前。


一人のイギリス人が、「ナガサキ」の港にセイロン人のお供を連れて降り立ちます。


彼の名は、リチャード・ゴードンスミス。



彼は、先祖の残してくれた財産で、悠々自適な「気まま生活」を送っていたのですが、ある、「やっかいな生活」(本の訳者によれば、どうやら自身と婦人との離婚問題らしい)から逃げ出す為に、当時始まったばかりの「世界一周パック旅行」に出かけます。

(かの、時刻表で有名なトーマス・クック社が始めたんだそうな)


その彼が、日本滞在中に写した写真や、自らが雇った絵師に描かせた絵などを添えた日記の翻訳。





ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)やE.モースなどの立場とは違う、「只の気ままな旅行者」の視線が捉えた明治のニッポン。


その視線は、当時の西欧エスタブリッシュメント層の「日本を上から見る意識」が随所に垣間見えて、正直、ちょっと「むかつき」ます。


とはいえ、彼が残した資料は、紛れもない当時の日本の様子を伝える大変に貴重なものなのだと思います。

(「あとがき」によれば、肝心のオリジナルの日記は、オークションにかけられ、今ではどこ在るのか不明なのだそうです)








文明開化の街、ヨコハマで見つけたのも何かのご縁だったのでしょうか。




リチャード・ゴードン スミス, Richard Gordon Smith, 荒俣 宏, 大橋 悦子
ゴードン・スミスのニッポン仰天日記