きさらぎあたりを包んだ朝霧は、しとしと雨に変っていった。 一日続いたその雨も、今は星がまたたいて。 庭に植わった山茶花に、残った雫が滴り落ちる。 夜になって吹く風は、寒さの戻りを告げている。 ロック・グラスにコニャックを注ぐ 如月は「着更着」なんだと思い出す。