日本には、様々な「縁起物」と言うのがございます。

よく知られている物では、「招き猫」。

商店の店先や、飲食店には、必ずおかれている「縁起物界(?)の一大派閥」。

さて、そんな「縁起物界(←本当にあるのか?)の重鎮は?」と聞かれれば僕は、迷わず「だるまさん」を挙げたいのであります。


「だるまさん」


いわずと知れた、赤い「まん丸胴体」におひげを蓄えたお顔。

時には、お腹に「必勝」なんて書かれておりますよね。



でも、なんで、だるまさんって一体なんでそんなに縁起物なの?



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今を遡る事、1,500年ほど前。6世紀ごろのお話。

インドに香至国という国があったそうです。

この国に生まれた、一人の王子様は、出家をなされて仏教の道に入られます。

やがて、王子様は、釈迦から数えて28代目の教えを伝える者と認められることとなります。


彼は、60歳になって中国にわたり、「少林寺」というお寺の洞窟に籠り、壁に向かってひたすら座禅を組む修行を続けられました。

この修行は、大変つらいものであったのですが、お坊様は、何回、転んでもすぐ起き上がり座禅を続けられたのだそうです。

この修行は、9年の長きにわたり、とうとう彼の手足は朽ち果ててしまったと伝えられております。

後世、この故事は、「何事もあきらめない事の大切さ」や「不屈の精神を称える」意味の「七転び八起き」や「面壁九年」という「ことわざの語源」となりました。



さて、この王子様出身のお坊様、釈迦から数えて二十八代目開祖として梵語で「菩薩達磨(ボーディーダルマ)」あるいは「達磨大師」と呼ばれる事となります。

そして、座禅を修行の中心とする「禅宗」の第一開祖として敬われて今日に至ります。



そう、この「菩提達磨(ボーディーダルマ)」様こそ、おなじみの「だるまさん人形」のモデルなのであります。




じゃあ、だるまさん人形の始まりは?



そのお話しは、後編で。