神無月の香り熱い昼が続いても、夜になれば、やはり秋。 吹き入る風に、すこし肌寒くなって、あいてた窓を閉めてみる。 流れの止まった部屋中に、花瓶に生けてた銀木犀の甘い香りが、漂い満ちる。 甘い香りと吟醸酒の軽い酸味が喉の奥で重なった。